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ひとり
なんだかここ最近、とてつもない孤独感に襲われている。どうにもできない焦りと寂しさを感じている。だからといって、誰かに寂しいと泣きついたりはしない。迷惑だろうと思ってしまうから。そういう質なのだ。でも人間、ちょっとくらいひとに頼ったって、バチは当たらないと思う。
まだ日が昇っていない朝、スマホのアラームで目を覚ました時、薄闇の部屋を見渡してどうしようもなく恐ろしくなる。空気が冷え切った暗い部屋。心の中をそのまま映したようだ。
別室から電気の明かりが漏れている。少し早く起きた父が、お湯を沸かしてくれている。あたたかくて少し慌ただしい、いつもの朝。
そう遠くない未来、私はきっとひとりになる。親は先に旅立っていく。順番だから仕方がない。
「家族はいるけど、私の家庭はないから、たまにそれを考えて寂しくなる。」
ラジオでパーソナリティが言っていた。あなたもそうなんだ、一緒だね、と少し安心したけど、あなたの寂しさが小さくなればいいなと思った。
多分、私の寂しさは誰にも埋められない。無理に追い求めても、満たされることはないだろう。でも誰かがいてくれたら、それはとても嬉しいことだと思う。
私は私のことが好きじゃない。いつも心のどこかで、他人より劣っていると感じている。好きになったつもりだったのに、まだまだだった。
私には私しかいないから、私のことは私が一番大事にしてあげたい。自分のだしこれでいいや、と思っていたこともたくさんあるけど、いつも心はそうじゃなかっただろう。
満ちていないから、誰にも与えられない。心のままに、自分の好きに生きてみたら、私のことを愛してあげられそうな気がする。ひとりでも寂しくないだろう。そしたら、誰かのことも愛することができる。
自分で髪を切ってショートを保っていたけど、やめた。素人だから切り方が荒いだろうし、髪も傷んでいそうだ。それに、また伸ばしてちゃんとケアしたくなった。髪の長い私に久しぶりに会いたくなった。
ひとりで出掛けて、お店で髪留めを見ていた。髪を伸ばしたら、その時の私に合ったきれいなのを着けたいと思った。