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孤独に身を焼かれて

孤独に身を焼かれて
悪夢より帰還し
悪夢の中に目覚め
目覚めては眠り
孤独の中にさまよう
過去の猛烈な怒りは未だ覚めやらず
今の怒りが種火となって
孤独の今を焼き尽くす
不安と不満の中で
涙だけが跋扈し
つまりは人間の幸せは
私の幸せではないのだと
他人事のように幸福を眺めながら
私はただ涙す
砕かれた
街の
かけら
帰りたい
帰りたい
それは本当の故郷
未だ辿り着かない
安住の地
そんなものがあるのか
あるとしても辿り着けるのか
それまで生きながらえることの
孤独と不安と不満の
痛みに耐えながら
心に抱えながら
今日も一人
毛布にくるまれ
街を憎み
街を求め
眠りにつく
不快感に耐えられる身体は
痛みに鈍感になり
眠りを求める
ただひたすらに
眠ることでしか
自分を守れない
そうして僕は
世界が滅びることを
望んでしまう

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吉村ジョナサン(作家)
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