【読書のきろく】キッチン
吉本ばななさんの作品は、河合隼雄先生との対談本をきっかけに読むようになりました。『キッチン』が、デビュー作なんですね。ずっと気になっていた作品です。
登場人物のその本人が書いているような文体。心の動きをみつめ、時々ひとりごともつぶやく。
読んでいて距離感がすごく近く感じるから、すーっと入ってくるのかもしれません。背伸びをせずに読めて、心にそっと広がっていく感じが好きな作家さんです。
この本に収録されているのは、大きくふたつの作品。
どちらも、身近な大切な人の死を経験し、かなしみやさみしさと、日常生活との折り合いをつけていく期間が描かれています。
生きること。命に直結する食べること。食事を作ること。その営みを支える空間のキッチン。
このタイトルのおかげで、読み終えてから大切なものがつながり、心に書き留めることができるのかなと思いました。
「世界25国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説」と、裏表紙に書かれています。これがデビュー作って、なんてすごいんだろう。
読書を純粋に楽しませてもらいました。
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読書のきろく 2020年42冊目
「キッチン」
#吉本ばなな
#角川文庫
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