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旅屋おかえり【読書のきろく】

年に一度は読みたくなる、原田マハさんの作品。
今回のテーマは、「旅」。

内容を知らずに手に取ったときは、旅館の話かなと思いましたが、違います。人の代わりに旅をするのが「旅屋」。「おかえり」は、その旅屋の仕事を始めた、売れないアイドルの丘えりか。
旅屋を始めることになったいきさつも、ひとつひとつの旅の依頼も、行く先々での出会いも、人がいて、その人の想いがあって、触れれば触れるほど、心があたたかくなります。読みながら、「この作品に出会えてよかったな」と思える作品でした。

原田マハさんは、美術を題材にした作品も多く、風景のあざやかな描写も、登場人物のちょっとした演出も、ていねいに紡がれていて、安心してその世界にひたることができます。それこそ、旅に連れ出してくれる感覚です。
この作品では、人のあたたかさを強く感じて、涙がこぼれたシーンもたくさん。終盤を読んでいるときは、試験勉強をする長男がすぐ近くにいて、目がうるんでいることを気づかれたかもしれません。

仕事でも、家庭でも、人のつながりはあって、ときには悲しいことや苦しいことも経験します。人のせいで傷つき、でも、人のおかげで癒される。
感動して、やさしい気持ちになれる作品です。

読書のきろく 2021年9冊目
「旅屋おかえり」
#原田マハ
#集英社文庫

#読書のきろく2021

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