悪魔を出し抜け!【読書のきろく】
「失敗」と「悪魔」の印象を変えて、大切なことに向き合える
この夏に新たに学んだ講座で、参考書籍のひとつになっていた一冊を読みました。ナポレオン・ヒル博士と言えば、『思考は現実化する』が最も有名な著書だと思います。1937年に出版されて以来、世界中で7,000万部を売り上げたとされているそうです。
今回の『悪魔を出し抜け!』は、その翌年の1938年に書き上げられたものの、親族の意向によって出版が反対され、70年以上も封印されていた本。時代背景やタイミングを考えさせられます。(反対の理由は、教育や宗教の対する強烈な批判が含まれていることもあるようです)
ヒル博士は、本の中で「悪魔」と対話しています。人間が、自分の意志で自分の進む道を選び、幸せに生きるためにはどうすればいいか。その秘訣を、悪魔から聞き出そうとしているのです。
神や悪魔を信じるか、という観点に立つと、ちょっと不思議な世界に誘われている感覚もあります。でも、対話の相手が誰であるかは、さほど問題ではなさそうです。読みながら自分の思考や生活習慣に目を向けてみると、見直しが必要なことが次々に胸に届いてきました。「流される」という言葉で表現されているとおり、いろんな誘惑や一時的な感情に流されて、こうすればいいと分かっていることをつい後回しにしてしまう。思い当たることがたくさんありました。
流されいるかもしれない、と知っておくだけで、気づいて軌道修正できることも多いように思います。
「一番、印象に残ったことを教えて」ともし問われるとしたら、僕は「失敗に対するとらえ方」を挙げたいです。
失敗は成功のもとと言うし、失敗することで貴重な経験ができるのは、僕も知っていてなるべく心がけようとしています。
でも、流されてしまっていることを念頭に置くと、失敗は立ち止まるチャンスであると言うのです。その通りだと思いました。分かっていても後回しにしてしまうことがあったり、今までの考え方を繰り返すことは、普段の生活ではそれほど問題なく毎日を過ごせます。「表面上は」と付け加えた方がよさそうですが。
そこに、失敗がやってくることによって、本当にそのままでいいのかと自分への問いかけを生み、本当に大切なものをしっかり考え直して選択し直すことができる。そう言われると、ありがたい存在に思えてきます。
そうやって、自分のリズムを整えることが、よりよく生きる秘訣のひとつ。怖くて悪いイメージだった悪魔が、いいことを教えてくれています。
冒頭で触れたタイミングに関して思いを巡らすと、最初に書かれた1938年ですが、現代に当てはめても考えさせられることがたくさんあります。
1930年代は、世界恐慌を経て第二次世界大戦に突入しようとする時期。そして、封印を経て世に出たのが、リーマンショック後に世界的な金融危機に陥った頃。さらに、今はコロナ禍でこれまでの常識が大きく揺さぶられている。
どんな人たちと、どう生きていきたいか、自分でしっかりと考よ、と諭してくれる本でもありました。
◇
読書のきろく 2021年44冊目
『悪魔を出し抜け!』
#ナポレオン・ヒル
#田中孝顕 訳
#きこ書房
※リンク先の値段がかなり高く表示されていますが、定価900円(+税)です
#読書のきろく2021
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