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行動の精度を上げるトレーニング

Karen Pryor Academy ライブエピソード#12では、ゲストスピーカーのハンナ・ブラニガンを精度のあるトレーニングについて語りました。

ハンナ・ブラニガン(Hannah Branigan)は12年以上にわたり、犬のトレーニングと人への指導を行ってきました。カレン・プライヤー・アカデミー認定トレーニング・パートナー(KPA CTP)であるだけでなく、KPAの教員、ペット・ドッグ・トレーナーズ協会(APDT)のプロ会員、認定プロ・ドッグ・トレーナー(CPDT)でもあります。Wonderpups, LLCのオーナーであるハンナは、犬と人の両方を正の強化方法でトレーニングすることに専念しています。

ハンナの犬はコンフォーメーション、オビーディエンス、シュッツフント(防衛犬)、アジリティ、ラリーのタイトルを所持し、多数の優勝、受賞を経験しています。


行動の構成要素を取り出す

ハンナは、一連の行動を細分化し構成要素を取り出した後、その構成要素となる行動を個別にトーレニングし、それらをつなぎ合わせていく事で、精度の高い行動を導き出すのに長けています。

構成要素をなる行動を単独で練習し、それを再構成することで、あらたな行動を生み出すことができると彼女は語っています。それはまるでレゴのパーツを組みわせて形を作っていくような作業です。

また、構成要素になる行動を取り出して練習するのは、時間に追われている時や疲れていて練習に集中できない時に、簡単に練習できる単位なので気を張らずに日々の練習に取り組むことができます。

ノーズターゲットから咥える行動への移行方法

モノを咥えて運ぶ行動を教える時、まず運んで欲しいものにターゲットするところから入入ります。モノにターゲットするのは、普段からターゲットトレーニングをしている犬ならそれほど難しいことではありません。しかし、そのモノを咥えて運ぶには、ターゲットとは全く違った行動が必要となります。

1. 咥えやすい棒状のものを用意します
2. 犬にノーズターゲット(鼻をモノにタッチする)をしてもらいます。
3.. ノーズターゲットにDuration(持続)を加え鼻をつけたままにする時間を徐々に伸ばします。
4. 鼻を押し付けるように持続できるようになると、押し付けることで上唇が捲れて歯がスティックに当たるようになります。
5. 口が少しでも開けばそのまま咥えさせます。
6. 開いた口にステックを咥えるようになったら、こんどは口を閉じる要素を伴う行動を加えます。チンレストはその一つ。チンレストは自然と口が閉じるので、咥えたスティックをしっかり咥え込むことになります。

このように、まったくことなる行動要素を他の行動を作るために使うことができます。

反応速度と持続時間

反応速度(Latency)とはキューが出てから行動に移すまでの速度です。持続時間(Duration)とはとった行動をそのまま続けることです。この二つは時に相反するもので、持続時間を追求すると反応速度が低下することもあります。

ハンナは反応速度を早める行動と持続時間を求める高度をトレーニングセッションの中にバランスよく組み込むことで、ネガティブな影響を防ぐ工夫をしています。

例えは、ノーズタッチしたままホールドを練習した直後に、レトリーブ等のスピーディな練習を入れ、犬が両方に対応できるよう工夫することを勧めています。それをどのようなバランスで交互に入れるかは、トレーナーのセンスと力量なのかもしれません。




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