公認会計士のこんな面白い仕事②@Big4監査法人
公認会計士よしみんです☺︎
公認会計士のこんな面白い仕事@Big4監査法人シリーズのPart2です。
公認会計士としてBig4監査法人にいると監査業務以外でどんな面白い仕事ができるのか気のまま発信しています。本日紹介するのは公認会計士×デジタルの面白案件です。(守秘義務に反しないことはプロフェッショナルとして言わずもがなですが念の為申し添えます)
Part 2 財務報告資料の自動作成案件
これは、あるスタートアップが導入済みのクラウド会計からではクライアントの望むレベルで各種財務報告資料が出力・作成できず困っていたところ、監査経験を有し公認会計士×デジタルの特性を持つ私、会計論点に詳しい公認会計士、財務関連資料作成経験をもつ公認会計士のチームで対応したものです。
メンバー構成からも分かる様にこの案件の特徴は、その各種財務報告資料を会計基準に則って正確に、網羅的に、効率的に、自動的に作成できるようにしてほしいと言った点です。デジタル・自動化の知見に明るくない純粋な監査畑の公認会計士では対応が難しく、また、会計や内部統制等のいわゆる公認会計士の守備範囲に明るくないデジタルに強い非公認会計士のエンジニア等の方でも対応が非常に難しい、私にとってはうってつけの面白い業務でした。
まず、導入済みのクラウド会計システムの勘定科目体系、計上基準、ひいては経理規程から課題を洗い出しました。同時に、クラウド会計システムで既に備わっている機能を最大限活用すべく(また無駄なシステム外の自動化作業・メンテナンスを回避するため)あらゆる機能を片っ端から検証していきました。
次は、As-isを把握したのでTo-beを描きます。その上で、現状の経理規程、計上基準、勘定科目体系では難しい場合には基準や勘定科目等を新設をしました。加えて、前後の業務を全て踏まえた自動化の業務フロー図をゼロから描きクライアントと協議をしながら自動化の枠を固めました。部分最適にならない効率化を推進する上にあるべき財務周り・経営管理・内部統制を踏まえたBPR(Business process re-engineering)ができるのは公認会計士ならではではないでしょうかね。
経験的にも非公認会計士の方々は特に内部統制を深く理解できていないので当然ではありますが、ただただ効率的に、とか、そんな省略しすぎるフローはあり得ないとか専門性に基づかない判断をしがちで、バランス感覚が非常に乏しく感じます。
その後は、自動化作業の実行です。ここが価値の肝ですよね。公認会計士×デジタルの見せ所です。個人的にも強い差別化できる領域です。
簡単な流れは、クラウド会計システムにInputされる情報を可能な限り調整不要にしたり調整がしやすい情報に整備し、その後はOutputデータを値貼り付けさえもする必要がなく特定のフォルダに格納したら、各種財務報告Excelで自動作成される、というものです。この案件でのハンド作業は会計システムから出力する、のみですがこれ自体も自動化は可能です。
(本当にこんなことできる?!と思った方はご依頼ください)
マクロやVBAなどメンテナンス性の乏しい機能は一切使用していません。
なお、この案件は3ヶ月ほどの基本リモートで完遂しましたよ。
こういった自動化案件では、以下に注意をしています。
内部統制など公認会計士としての知識・経験から問題のない業務フローとなっているか
クライアントの自動化・効率化の期待を上回ったか
自動作業の恒久化・メンテナンスの容易性
部分最適を回避。業務フロー及びそれに付随する関連資料の整備・更新
もっと言うと、コンサルタント、システムエンジニアの方ではできない公認会計士だからできる高価値提供というものを常に意識しています。面白くて大変刺激的な案件でした!また、自分の会計論点への理解はさることながら自動化やデジタル技術の研鑽に非常に役立ったなと実感しています。
私のいるBig4監査法人のアドバイザリーではこんな面白い業務もできます。ご参考になれば。