第8回 「キャリアは何か特別なことをすることではない!」自分なりの「日々の心がけ」から始めてみよう
幸せなキャリアを育んでいくために、自分なりの「幸せに生きる・働く指針」を持つことの大切さについて、前回、前々回と述べてきました。
さあ指針が見えてきたぞ!この指針をもとに幸せなキャリアを育んでいくぞ!となったとき、では、そこからどうしていくか、というお話を今回はしたいと思います。
すぐに思いつくこととして、何か目標やTo Do(やるべきこと)を設定すること、というのがあるかもしれません。
例えば若かりし頃のわたし。
わたしは20代のビール会社時代、大ヒット商品を生み出したいという夢があり、それがわたしの“幸せなキャリア”だと思っていました(この時点で勘違いしているのですが)。じゃあ、そういう“幸せなキャリア”を育むために、どうするか。まずは何かできることからやろう!ということで、次のような目標・ToDoを設定しました。
・マーケティングについてもっと学ぶ(本など)
・「クリエイティブな発想を生み出す5つのポイント」などという通信教育を受ける
・知り合いのマーケッターの人に話を聴く などなど。
これらに対して、真面目な私は一生懸命取り組みました。そして、次々にやり遂げていったのですが、やり遂げてみたものの、「で?」となりました。じゃあ、もっとやった方がいいかなと思って、またToDoを設定して、頑張った。そうしていくと、確かに知識は多少ついた。けど「で?」。これをやリ続けたところで、特に仕事においていきいきとした感覚も味わう時間は増えていないし、“幸せなキャリア”を築けている実感ももてていない・・・
そこからは、そういうToDoや目標を設定することもやめてしまいました。
これ、何が悪かったのでしょう?
自分としてはこういう仕事をしながらこういうキャリアをつくっていきたい、というのが見えたとして、でも会社勤めであれば、すぐにやりたい仕事ができるわけではない、となったとき、まずは何かできることからやる、そのために目標やToDoを設定する―。
この、まずは今できることからやる、それ自体はとてもいい心持ち。積極的で主体的!
ただ、ちょっと注意が必要。なぜなら、それは実は落とし穴のループにはまる可能性があります。
・目標やTo Doを達成・消化のためにがんばる
↓
・達成はしたけど、「で?」となって、また次の目標やTo Doを設定しやり始める
↓
・To Doに取り組んでいるときは、何だか頑張っている気にはなるが、“幸せなキャリア”を育めている実感が持てないので、また目標を探す・・・
わたしは、この落とし穴のループにまんまと陥っていたというわけです。
次々に目につく資格を取っては使うことなく、次の資格取得を目指して勉強ばかりしている人の中には、同じ落とし穴のループにはまっている可能性があります。
そう、つまり、
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」ならぬ
「キャリアは何か特別なことをすることではない!日頃の仕事への取組みでできているんだ!」
です。
キャリアは何か特別なことをすることでも、何かを達成することでも、どこかに到達することでもない。日々の仕事への取り組み、プロセスそのものがキャリアなんです。
それ故、日頃の仕事への取組みが、幸せなキャリアへのカギを握っているといえます。
では、具体的に、どうすることなのか。
それは、自分なりの「日々の心がけ」をもつこと、そして行動すること。
例えば
幸せな指針に従って、日常的に自分の強みを発揮する、「願い」を意識して仕事上の判断を行う、仕事の意味に従って自分なりの価値を創出する、そういったことがまず前提として大切にしてほしいことではあるのですが、さらに意識してほしい大事なポイントは「成長」。
「成長し続けるためにはどうしたらいい?」まずは自分に問うてほしい。
以前、「幸せなキャリア」の「幸せ」って「成長し続けられること」というお話をしました。まさにそこにつながっているのですが、成長するために、日々どんなことを心がけたらいいだろう?過去の、自分にとってうれしい成長体験をちょっと思い出して、そのときの状況を振り返ったりして、その状況をつくるにはどうしたらいいだろう、自分はどんな心持ちでそのとき頑張っていただろうなど、一度問いかけてほしい。
(繰り返しになるけど、「成長」は辛いものとイメージしないで!、小さい頃に自転車が乗れるようになったような、自分にとって「うれしい変化」のことですよ!)
ちなみに、わたしの場合、今意識している成長のための「日々の心がけ」は
・怖いものこそ、やってみる(怖がりなもんで、しり込みしがちだけど、怖いものこそ成長できることは過去の体験からよく分かっているからこそ、日頃からこれを心がける)
・来るものは拒まない(目の前に来たものは、自分に必要だから来た、という考え方)
・最後の最後は“気楽”にやる(わたしってば、自分にプレッシャーかけすぎて自滅しがちな人なんですぅ)
こんなことを、日頃から心がけて行動しています。
これらを心がけることで、何か特別な大きなことを達成するわけではないけど(達成することもあるけど、まぁ、それは、日常の合間にある、ちょっとしたイベント。日常の方がわたしたちは多くを過ごす)、少しずつ、自分なりに満足のいく仕事の取り組みができている気がする。少しずつでも成長している気がする。
もちろん辛いこともいっぱいある。でも、なんというか、そう。いきいき満足。
「幸せなキャリア」への取り組みって、実は結構地味なんです。
だからこそ、意識して継続的に取り組むことが大事。
単発の派手な花火をあげるのではなく、ずっとまたたき続ける星のように、静かに、自分の光でまたたき続けていきましょう!
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※これまでの連載(どれも力作だからぜひ読んで!!)
第1回 計画なんてくそくらえ 偶然を味方につけて幸せ人生(1)
第2回 計画なんてくそくらえ 偶然を味方につけて幸せ人生(2)
第3回 自転車に初めて乗れた日のあの感覚、「成長」こそが幸せなキャリアの原点
第4回 いきいき生きる、いきいき働くってどういうこと? /①” いきいき”は、全身全霊、全力で自分の命を燃やす体験
第5回 いきいき生きる、いきいき働くってどういうこと? /②自分の「強み」=ギフトを知ろう!
第6回 自分の本当の「願い」を知る~幸せに生きる・働く「指針」をつくる①~
第7回 自分にとって「仕事とは?」を見つめたら、未来が開けた!~幸せに生きる・働く「指針」をつくる ②~