【詩】暗夜を越えて
夜において
わたしたちは出逢う
暗闇こそが
一致への道
離脱を通して
神秘それ自体が
わたしたちの裡で
働くこと
暗夜は浄め
わたしたちの不完全さを
わたしたちの執着を
退けるための
浄化の過程
一致へととのえられるには
感覚を通して入ってくる
あらゆるものから浄められ
知性を通して捉えられる
あらゆるものからも遠ざかり
静けさの中に
とどまらなければならない
暗夜はメランコリーでなく
荒み
恵みや慰めを感じられず
無味乾燥を体験する
神は沈黙し
見捨てられたような
孤独を感じるかもしれない
暗闇の中で
孤独と向き合い
己の弱さ
非力さ
限界を知ってゆく
それまでの自己が否定され
時に苦痛を伴う過程となる
夜を通過して
わたしたちは一度
滅ぼされる
不完全なものが
焼き尽くされ
無に帰する
渇きと空虚を通過して
わたしたちは真の
恩寵の光を知るだろう