【詩】もの想い・4 of Cups
安定性、物質世界の象徴
4という数字が
水のエレメントである
カップと組み合わされる時
停滞して動かない感情が
クローズアップされる
水は循環することで
清い流れをつくり出すが
停滞すればよどみを生む
湿潤なものは
軽やかに舞い上がりはせず
下へ下へと沈み
溜まりをつくる
水の明るい側面は
惜しみない愛情であり
豊かな感受性であった
しかし陰の側面は
不満や陰鬱につながってゆく
カップの4のカードの中には
木の下に座って思案する若者と
4つのカップが描かれている
そのうちの3つは地面に置かれ
1つは差し出された手に掲げられて
宙に浮いた格好になっている
読み解きの法則に従えば
時系列は左から右に
過去→未来と流れるので
左側に置かれたカップたちは
過去に起こった出来事を示す
どうやら若者にとって
ここまでの結果は
納得のいくものではなかったようだ
4本目が置かれるであろう
右側のスペースは空いていて
宙から差し伸べられた杯は
まだ置かれていない
表れた手の方向は
未来へ向けて差し出されている
過去の満たされない思いや
堂々巡りにはまっている主人公だが
ここから先はまだ決定していない
次のカップが未来に向けて
差し出されていることには
まだ気がついていないようだ
目を転ずれば
差し出されている愛情や
世界の美しい姿に
気がつくことも可能だ
顔を上げて
視野を新たにすることができたなら
しかし4という数の不動性が
視野の枠外に出ることを阻む
大地にしっかりと根を張った樹や
その根本にどっかりと座り込み
手を組んで目を伏せる姿によって
不動性は強調されている