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ブラックベリーのまわりには…

昨日までのカンカン照りとは打って変わって、
今日は曇りのち雨。

私の中で、これぞイギリス!と感じる空気感。
お日様ギラギラもいいけれど、これはこれで
心が落ち着きます。

イギリスは、傘をささない人が多いんです。
雨降りがあまりにも普通すぎるからなのかな。

でも、傘をさす日本人の私でさえ、
さすのはどうしようかと迷うときがあります。
それが、今日みたいな天気。

細かい霧のような雨が宙を舞っているん
ですよ。四方八方からやさしく、霧吹きを
かけているような感じです。

このうるおい感満載の中、娘と一緒にまた
ブラックベリー摘みに出かけてきました。

霧雨のかすかな音が、深い緑のトンネルの
静寂感をさらに強調させます。

一見すると、まだまだあるぞ、よく熟れた
ジューシーなブラックベリー!

ところがですね、いざ採ろうとすると
前のようにはいかないんです。

なぜかって?

採りやすいところは先日、自分たちが採って
しまったんだな。
今、たわわに実っているのは

頭上高く、届かないところ。
これは野鳥さん用。
膝下の低いところ。これは野生動物さん用。

そして、その中間の高さだけど、たくさんの
トゲトゲに囲まれているところ!

ブラックベリー自体、トゲがある植物なんです
よね。そこを、他のトゲトゲ植物の’つる’が
まるで蛇がうねるように周りを覆っています。

それから、一見、普通の野草に見えるスッと
伸びた植物!ちょっと触れただけで、チクっと
針で刺されたような痛みが走るんです。

イギリスではネトルと言われている
セイヨウイラクサ。

ほぉーーー!
嬉々としてベリーにしか目がいっていなかった
山歩きド初心者の私。

何度も何度も通った小道なのに、
知らないこと、いっぱいです!

今あるツヤツヤベリーは、自然のトゲトゲ
ガードで幾十にも守られています。

それが最初は見えなかった。
ネトルの君にチックンされて気づきました。

こんなにまだあるのに採れないよー。
そう思っている自分には’欲’があるんだな。

「あなたに必要な分だけ、あげるよ」
自然にそう言われたような気がして
はたと手を止めて、ふくろの中を見た私。

ほんとだほんとだ。
もう充分いただいたじゃないか。

霧雨が小雨となり、その静かな雨が心身を
きれいさっぱり流し清めてくれたようで

娘とふたり、なんとも言えない清々しい
気分になって家路につきました。

たくさん歩いたあとにいただいた
ブラックベリーとグリークヨーグルトの朝食。

最高の一日のスタートです。

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