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子どもの発達の特性を知るのは何のため?

子どもの発達凹凸の話をすると、「それを調べてどうするんだ」「親が知りたいだけじゃないのか」「子どもは傷つかないのか」っていう人がいます。
「傾向があるのは知ってるけど、あえて検査は受けない」という人もいらっしゃるようです。
それはそれでいいとして(それに対する是非は問わない)、何で私が子供の発達凹凸に対して、検査をして調べたのかを書きますね。

そもそもネーミングが悪い

WISCの検査を受けると決めたとき、息子は小学4年生。「障害」って言葉、予想以上にインパクトがあるようです。息子自身もショックだったようです。しかし、障害があろうとなかろうと、みんな「自分の中での最善を選択して」生きているのです。
そして、ある程度大きくなってから分かった場合は「自分はみんなと同じじゃないの?」って困惑する子もいるみたい。

だから、WISCを受ける前に、息子に「発達障害とは」「WISCとは」「それを調べることによって分かること」をきちんと説明しました。そして、本人も了承したうえでWISCを受けました。

私たち親子も、WISCを受けるときまでは、特性は自分たちだけが把握すればいいものだと思っていました。
結果を見て…げげげ。これは学校に行って合理的配慮を申し出ないと学校についていけなくなるレベルだわ…ということが分かったのです。

療育や各種トレーニング(ビジョントレーニング、作業療法など)をすることで、できなかったことが多少は出来るようになります。しかし、定型発達の子と同じように出来るようになるわけではないので、願わくばその部分は「生きていくのに支障がない」スキルが身に着けばいい、無理なら支援や協力をお願いできるように「出来ないこと」をはっきりさせておく必要がある…というところを着地点にすることにしました。

なぜ「支援」が必要なのか

発達凹凸で最も大切なことは、子どもの特性を出来るだけ早期に把握して、親や周囲の大人が理解を示すことです。また、特性によって「出来ないこと」「苦手なこと」を無理やりやらせることによるストレスを軽減するための環境を整えることです。
発達凹凸にも様々な種類があり、同じ種類でも原因が違うことはあります。特性を知ることも大変でしたが、必要な支援を整えるのがはもっと大変でした。
そもそも、なぜ「支援」が必要だという流れになっているのでしょうか…。
この話をすると「昔は発達障害なんてなかった」「なんでも発達障害といえば免除されると思ってる」「単なる甘えや怠けじゃないの?」という人がいます。
確かに、親世代の私の頃は「発達障害」という概念がなかったですよね。この概念がなかったことで特性が理解されず「怠け」「甘え」「努力不足」で終わってしまっていました。
そして、今、「特性を理解してもらえなかった」人に出ている影響…心身や精神的な不調、対外的な犯行(暴言や暴力など)があるということが分かってきました。それを「二次障害」と言います。

例えば、近視の人に眼鏡をはずした状態で教室で最後列の座席に座らせておきながら、「板書」させて出来なかったらそれを叱責する。それは明らかにハラスメントだって誰もが分かります。しかし、発達障害では広く知られていないゆえ、そんな「ハラスメント」がまかり通っていると私は思っています。

発達障害のある人は、特性からストレスや周りとの不適応を引き起こしやすい傾向があるといわれています。それが高じると精神疾患の合併や社会適応を困難にする行動の問題に至ってしまうことがあります。
また、うつなどの発症をきっかけに医療機関を受診したところ、その背景に発達障害があることが分かったケースや、大人になって発達障害を疑い受診したところ、精神疾患を合併して診断されるケースも多いといわれています。
このような状態を発達障害の「二次障害」あるいは「二次的な問題」などと呼びます。二次障害は医学的な診断用語ではなく、また二次障害の状態像も人により異なります。
(引用元:リタリコ仕事ナビ )

こちら↓の記事に詳しく書かれてあります(リタリコ仕事ナビ)

とにかく「二次障害」を避けたい

「二次障害」という言葉…初めて聞く人もいるかもしれません。私の知人の臨床心理士さんも発達凹凸のことを知ってもらうために発信をしていますが、やはり、それは「発達のことを知ってもらうことで、二次障害で苦しむ人を1人でも減らしたい」という思いで発信をしているそうです。

子どもとは限らず、大人でも発達凹凸を知ることは出来ます(WISCの大人版…WAISというのがあります)。

かつて、食物アレルギーも「好き嫌いの延長線上」に語られていた時代もありました(今ではほとんどいなくなったと思っていますが)。
発達凹凸の問題も、甘えや努力不足ではなく、「もともと持っている脳の特性により極端に出来ないことがあり、日常生活に支障をきたしていることもある」ってことを知ってほしいですね。

発達に凹凸がある人自身からも、もっと声を上げて助けを求められる仕組みが出来てもいいと思います。そもそも、「みんなが同じことを出来るようになる」という教育自体をそろそろ見直してもいいのではないかと思います。

学習障害が分かるまでの経緯とか、そこに至るまでの道のりはマガジンにしてあります。






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