『対決の東国史』刊行記念鼎談 変貌する東国史を読み解く #5
上杉氏の役割
田中 木下さんが書かれた第5巻の主役である上杉氏は、畿内とどのような関係を持っていたのですか。
木下 京都に行った上杉氏が畿内に関わっていますし、山内上杉氏は少なくとも15世紀半ばまでは畿内に所領を持っています。その後、1520〜30年ぐらいまでは京都に四条・八条上杉氏がいます。
―― 上杉氏というのは犬懸、越後、山内、扇谷と、かなり分散的なイメージがあるのですが、あれは鎌倉の地名にちなんでるのですか。
木下 居住しているという前提なのですが、当時ちゃんと