『対決の東国史』刊行記念鼎談 変貌する東国史を読み解く #6
織豊時代を迎える東国
―― 最終巻(第7巻)は小田原北条氏と越後上杉氏の戦いになります。小田原北条氏の政治というのは、武田氏や今川氏との関連性で述べられてきた部分もあると思うのですが、今回の編成には意図があるのですか。
田中 単純に山内上杉氏の家督を継いだのが、越後上杉氏の家臣だった長尾氏で、長尾氏(越後上杉氏)が山内上杉氏と小田原北条氏との抗争を引き継いだので、両者の対決を取り上げるのがいいように考えました。加えて、一方は滅び、一方はうまく生き残るという、対照的な終わり方