Good One! (「II」だけど)
CD:「II」 Rock’N’Roll Gypsies (2005年/Universal Gear)
(2020年4月投稿のAmazon CDレビュー(削除済)を加筆修正)
Rock’N’Roll Gypsiesを聴き始めたのは比較的最近のことなので、完全な後追いでやっとぼちぼちこのCD(DVDつき)も聴いている。
リリースから10年以上の年月が経っているが、音に色褪せを感じさせないのは、本作でメンバーチェンジがあっても、やはり「Rock’N’Roll Gypsies」という容れ物の強さというか、バンドとしての実力だろうと思う。もちろんそれは、各々のメンバーの力があって、初めて成り立つものであるが。
彼らの作るアルバムは、強固な建材と、確固たる意匠と技術でそれぞれに築かれた堅牢な城塞を思わせる。そして本作もその例にもれることはない。
CD収録曲2、3、6、8は、late comerのリスナーである私自身も、割とよくライブで耳にしており、たぶん観客の高い支持を得ているナンバーなのだと思う。
実際、(上記の4曲に限ったことではないけれど)どれも線のはっきりしたいい曲だし、ライブではCD以上の熟達の出来で、伊達にキャリアを重ねているわけじゃない、きちんとオトシマエつけてくれている、という感じだ。CDで聴いても、ライブで楽しんでも、どちらにしても損はない。
さらにあえてつけ加えるなら、収録曲4と9がとてもいい。
4は、ゆっくりと煙草の煙を吐き出すように歌われる倦怠がクセになりそうで、ヤバい。
もう一方の9は、人間の本来的な歌の基本みたいな、シンプルに回り続ける繰り返しが快感。子供のころ、誰かと向かい合って手をつなぎ、ただひたすら、ぐるぐる回ることに夢中になって遊んだことはないだろうか。この曲は、そんな風にしてはしゃいだ後にやってくる、あの無邪気な眩暈の感覚を呼び覚ましてくれる。
いつかきっと、これら2曲ぜひライブで聴いてみたいのだが、叶う日や、いつぞ。
【Rock’N’Roll Gypsies II】
Disc1 (CD)
1, Muddy Man 2,只の夢 3,光 4, Hangfire 5, GOAL 6,風の跡 7,瞳 8, LUCKY LOVE 9, Hallelujah Lord 10, Junk! Junk! Junk? 11, Hey DJ 12,此岸のほとり
Disc2 (DVD)
1, NATURAL POWERED 1 2, NO TIME 3, TRUCKIN’
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