依田 佳日

うどん県生まれ。関東在住。

依田 佳日

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最近の記事

たぶん空耳

ライブ:花田裕之 ”流れ” (郡山・Old Shep、2024年10月12日) 狭い店だよ、と予約の際、電話口で店主に告げられたその店は、駅周辺の賑やかなエリアから少し外れた場所にあった。なるほど店主の言葉通り、20人も入れるかどうかという店内。実際、きちきちの満員。人いきれ、週末の夜の解放感、そしてライブへの期待で空気が熱くこもる。定刻を過ぎて、花田さん登場。 始まりは「Tell Me Why」。幕切れは「Knockin’ on Heaven’s Door」。ルースター

    • 終わりよければ

      ライブ:花田裕之 ”流れ” 下北沢 2024 Harvest Time編(下北沢・ニュー風知空知、2024年10月4日) 年明け1月以来のニュー風知空知。お店のホームページによると、10月いっぱいで閉店とのこと。びっくり。始まりがあれば終わりがあるのは世の理といえど、残念なニュース。 さて、ライブの感想である。 先月の虎ノ門も大変よかったが、今回の下北沢もそれに負けず劣らず。前回とはまた違った魅力にあふれた「流れ」だった。二部構成のステージの出囃子となった「ホラ吹きイナ

      • 素敵な嘘

        ライブ : 花田裕之 “流れ”  (虎ノ門・Camerino、2024年9月20日) 虎ノ門でやるとは思ってもみなかった、という趣旨の花田さんのステージでの言葉。こちらにしても、虎ノ門で「流れ」を観るなんて思ってもみなかった。なにしろ虎ノ門 といえば、病院かオフィス街のイメージだったから。 カメリーノは大通りから一本入ったビルの地下1階、こじんまりとしたイタリアンレストラン。小さいながらもステージの造りや、お店の人の客席への気配りなど、土地柄にそぐわず(といっては失礼だが

        • 秋はいずこに

          ライブ : 花田裕之 “流れ”  (新宿三丁目・Bar Shiget’s、2024年9月1日) 先月は台風7号でband HANADAが延期。今度は「流れ」が台風10号で延期か、中止か、と気を揉んでいたのだが、開催の運び。それはそれで嬉しいのだが、相変わらず天気は不安定で、交通への影響などが心配は心配。と思っていたら、今回、なんとライブの只中にビル内の非常ベルが鳴るというハプニングが発生。まるで「ロックンロールの真最中」さながら、消防士がやってくる事態に。結局何事もなかった

          表参道酔夢譚

          ライブ :  花田裕之 “流れ” (表参道・The Moon under Water、2024年8月3日) 前回は風薫る5月、今回は熱波猛り狂う8月の表参道「流れ」。お洒落な都会は宵っ張りさんが多いのか、開演は遅めの20時をさらに少し過ぎたころ。チューニングしながらゆるゆると「(She’s So) Untouchable」でライブはスタート。相変わらずの厳しい暑さと弦の調子、それから花田さんのボーカルのスラー(というか呂律?)の感じから、前回(上尾)、前々回(阿佐ヶ谷)に近

          表参道酔夢譚

          7/26 、Amazonのライブ配信でフジロック 2024「Route 17 Rock’N’ Roll Orchestra」。総勢12名の楽団が日・芬 5組8名のアーティストをもてなす。昼食後の眠気も吹き飛ぶ楽しい1時間。それにしてもまだ初日の午後イチなのに皆、テンション高っ!

          7/26 、Amazonのライブ配信でフジロック 2024「Route 17 Rock’N’ Roll Orchestra」。総勢12名の楽団が日・芬 5組8名のアーティストをもてなす。昼食後の眠気も吹き飛ぶ楽しい1時間。それにしてもまだ初日の午後イチなのに皆、テンション高っ!

          昨日7/25、HIRO KIMURA写真展「HEROES」を代官山ヒルサイドフォーラムにて。広々としたスペースには、ミュージシャンやアクターら5人のポートレイト。どこかストイックで抑制が利いていながらも、ずしりと存在感のある作品群。会場内撮影可なのは今どきの展覧会ならではの恩恵。

          昨日7/25、HIRO KIMURA写真展「HEROES」を代官山ヒルサイドフォーラムにて。広々としたスペースには、ミュージシャンやアクターら5人のポートレイト。どこかストイックで抑制が利いていながらも、ずしりと存在感のある作品群。会場内撮影可なのは今どきの展覧会ならではの恩恵。

          夢の続き

          ライブ : 花田裕之 “流れ”  (上尾・plus eleven、2024年7月20日) 暑いです、それだけです・・・、という花田さんのMCに、もうすべてが凝縮されていたように思う。ひたすら長く暑い1日が暮れる頃、上尾のライブは始まった。 日没後も収まらない暑気のせいか、演奏中でも時々弦をおさえる左手をほんの一瞬ギターから離し、手の汗をぬぐってはすぐにまた弾き始める花田さんであった。そんな中でも朗々とした「いつか見た夢」や、「Train Train」(さりげなくリフにキュ

          夢の入口は宵の口

          ライブ : 花田裕之 “流れ”  (阿佐ヶ谷・harness、2024年7月5日) 梅雨明け前にもかかわらず、関東地方は猛暑が続く。阿佐ヶ谷も暑い。夏至のあとの日の長い時期、開場時間19時でも外はうっすらと明るい。定刻19時半を15分ほど遅れて花田さん、登場。暑い中、ありがとうございます、という第一声とともに「(She’s So) Untouchable」で始まった ”阿佐ヶ谷 流れ”。まだまだ宵の口である。 あいだに休憩を挟んだ恒例の2部制。アンコールを経て終演は22時

          夢の入口は宵の口

          Memorandum(Play the Sonhouse & Guests, 29 June 2024)

          ライブ:Play The SONHOUSE <ゲスト>花田裕之、大場由文/O.A. 山本慎也ブルースバンド(高円寺・JIROKICHI、2024年6月29日) 昨年、YouTube配信 (「TRAVEL HIGH チャンネル・鬼サミット」)で観て以来、いつかは直接その姿を、と思っていたプレイ・ザ・サンハウス。チケットはソールドアウトとのことで、会場は椅子席、立見席ともぎっしり。 オープニングアクトは山本慎也ブルースバンド。キーボードとサックスを交えた5人編成。ユーモアと、

          Memorandum(Play the Sonhouse & Guests, 29 June 2024)

          「202469IndianSummer77th 菊の部屋へようこそ...俺は待ってるぜ!」(6月9日@下北沢Club251)をアーカイブ配信で観る。清濁併せ吞んだ先にある猥雑と純粋、正と邪、美と醜。そういったものが柴山俊之の歌の魅力だと思う。ライブ復活と喜寿おめでとうございます。

          「202469IndianSummer77th 菊の部屋へようこそ...俺は待ってるぜ!」(6月9日@下北沢Club251)をアーカイブ配信で観る。清濁併せ吞んだ先にある猥雑と純粋、正と邪、美と醜。そういったものが柴山俊之の歌の魅力だと思う。ライブ復活と喜寿おめでとうございます。

          Memorandum(W.C.カラス&Guests, 21 May 2024)

          ライブ:「W.C.カラス還暦記念特別興行」W.C.カラス <ゲスト>花田裕之、Shy、ROIKI、コージー大内、梶浦雅弘、岡本雅彦、Chihana(高円寺・JIROKICHI、2024年5月21日) 高円寺・ジロキチには2019年10月にWild Chillun(ゲスト・花田裕之)を観に行ったきりで、およそ5年ぶりの再訪。天井の低い地下の店はイス+立ち見のお客でぎっしり、満員御礼状態。ゲストの面々も合わせ、こんなにたくさんの人がお祝いに駆けつけてくれるなんて、やはりカラス氏

          Memorandum(W.C.カラス&Guests, 21 May 2024)

          おたいせつに

          ライブ :  花田裕之 “流れ” (阿佐ヶ谷・TABASA、2024年5月18日) 近ごろの花田さんはギターのみならず、ブルースハープが充実しているように感じる。ここ阿佐ヶ谷でも「Free Bird」を始め、随所で円熟の弦にのせて情感のこもったハープを聴かせてくれた。言葉以上のものが響いてくる感じ。緊張すると呼吸は浅く、逆にリラックス状態だと深く穏やかになるという。その呼吸をベースに音をつくる楽器は心情が表れやすく、また、思いも込めやすいのかもしれない。何にせよ花田さんのギ

          おたいせつに

          千年の都は三度目の正直

          ライブ:苗場音楽突撃隊「フジロックへの誘い」(京都・磔磔、2024年5月16日) 3月下旬から3か月にわたっての磔磔50周年記念ライブ・シリーズ。その中のひとつ、苗場音楽突撃隊を観に京都へ。実は私自身、以前東京で彼らのライブを見損ねており、また過去2回、この老舗ライブハウスへの訪問を計画したものの、いずれも事情により頓挫。やっと今回、三度目の正直で憧れの磔磔詣でが実現したのだった。 かつては酒蔵だったという、古い建物のステージに揃ったメンバーは、池畑潤二(Dr)、花田裕之

          千年の都は三度目の正直

          都会(まち)の空気

          ライブ :  花田裕之 “流れ” (表参道・The Moon under Water、2024年5月5日) 5月の連休も終盤。久しぶりの原宿駅。改装されて随分大きくきれいになったことに驚く。と同時に人の多さに圧倒され、思わず本気で帰りたくなる。これだから田舎のネズミは。人混みの中、表参道をキョロキョロウロウロ、路地を曲がり曲がりして、店にたどり着く。地下1階ながら、外階段が見える大きなガラス窓から外の光が入るようになっており、意外と開放感。 GWとあってか、あるいは場所柄

          都会(まち)の空気

          No expectationsで、自由に歩いて愛して

          ライブ :  花田裕之 “流れ” (吉祥寺・Black And Blue、2024年4月26日) 昨年12月のband HANADA以来のブラック・アンド・ブルー。ライブのスタートは高木栄一郎さん。花田さん、来ますから、と曲間に何度も繰り返しつつ、繊細な心情を素直な声で歌う。1980年生まれ、岡山出身。東京暮らしの方が長くなりました、という自己紹介と曲の雰囲気、納得。いくばくかの既視感と懐かしさ。 客席があたたまってきたところで、小休止の後はいよいよ花田さん登場。おなじみ

          No expectationsで、自由に歩いて愛して