自動販売機から学ぶ「全自動チャリンチャリンマシン」の作り方
ちょっと前に連載していた「資本主義をチートする」のスピンオフみたいなお話ですが、面白いネタがあったので書いておこうと思います。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/07/news015.html
ITメディアビジネスさんに載っていた「自動販売機」のビジネスモデルについてのお話、かなり興味深いので、まずはここからスタートしましょう。
自販機というのは、年間の売り上げが約35万円くらいで、一日あたりにすると1000円以下なのだそうです。ところが、それを全国で何万台とやるものだから、少ないお金でも全体としては大きくなるというまさにチリツモな
「チャリンチャリンマシン」
であることがわかります。自販機というのは、小銭をちょっとずつまとめてゆくような、そういうビジネスなのですね。
元記事そのものは、ダイドーさんを例にしながら、鬼滅の刃とのコラボ効果のほうに話が移りますが、ヨシイエさんのほうは、そもそものビジネスモデルに着目したいと思います。
一日8本くらいしか売れず、一日1000円だけを稼ぐ自販機ですが、実はそれは「売上」であって利益ではありません。
元々、清涼飲料水などの原価率は3割程度とされていますが、実際には缶に入れたり、流通に乗せたりするので、120円の商品だとすれば、6掛けぐらいがベンダーの原価になると推定してみます。
ダイドーさんの場合、直販で自販機を設置することが多いと思うので、利益幅はまだ取れるわけですが、それでも自販機の電気代やら、補充の費用・ゴミ撤去の費用などを考えれば、そこからどんどん利益は削られます。
仮に、直販自販機ではなく、卸業者が入るとなると、1缶あたりの原価は60円〜80円くらいになる(67%程度)でしょうから、最大で見積もっても年間で24万円ほどが経費として出てゆくわけです。そうなると純粋な利益は、年間11万円で、一日あたりは300円の利益ということになると思います。
ところで、私の知人に「自販機に敷地を貸している」という人がいます。今は2台程度を稼働しているのですが、売上にも連動して地代が払われます。
その人の場合は、1台あたり月3000〜4000円程度が地代として入ってくるそうですから、これもちょっと計算してみましょう。
自販機の実際の利益が300円/日ということは9000円/月です。そのうち約半分を地代として払っていることがわかります。そうなると残存利益は150円/日で、年間の純利益は5万円ほど、ということになるわけですね。
もちろん、先程も少し話したように、自販機のベンダーが「直販で、直置き」なのか、卸や仲介業者を介しての設置なのかによって、残る利益幅は変わってきます。
知人によれば、「中間業者を使うと、同じ敷地に複数のメーカーの自販機を置けたり、メリットもある」そうですから、それぞれに一長一短があるのだとわかります。
ここで、資本主義チート術としては、把握しておきたいざっくりとした考え方が見えてきます。それは
◆ 不動産投資・ワンルームマンションの場合、月5万として年間60万の利益
◆ 自販機地代もしくは自販機ビジネスが利益折半だとしたら月5000円として年間6万円の利益
という見立てです。
実際に立地などによって、それが儲かるか否かは別にして、
「ワンルーム投資と自販機ビジネスは、12:1の関係にある」
と把握しておくとよいわけですね。
だから、12台自販機を並べると、ワンルーム1室分の投資効果がある、とも言えます。道路沿いの空き地に自販機がずらっと並んでいるところがよくありますが、あれはそういうことをやっているのだ、と理解できます。
ヨシイエはふだんから、不動産投資をやる理由や、そのメリットは、
「一発の単価がでかいだけ」
だとよく言っているし、書いています。
一発の単価がでかいと、それだけで大きなお金が動くというメリットもありますが、失敗した場合は失うお金も大きくなります。パチスロか1円パチンコかみたいなもんです。
単価がでかいと、月5万なり10万なりが入ってくるわけですから、下手するとそれだけで最低限暮らせます。月10万分の不動産収入があれば、ささやかな無労働生活ができる人もいるでしょう。
ところが、単価が小さいと、少なくともそれをかき集めない限りは、それだけでの生活はできません。月5千円から1万円では、暮らしようがないからです。
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ただし、考え方としては、「たしかに月5千円では生きていけないけれど、利益の”率”そのものは同じだ」と言えます。だから10個集めれば、最終的には大きな1発に近づくことはできるわけです。
さっきの例のように、ド田舎村でワンルームマンション投資はできなくても、道端にちょっとした空き地(それも、ほとんど利用価値のない空き地でOK)があれば、12台自販機を置く契約をすればいいのです。集めれば、大きな1発に相当する仕掛けを作ることができるわけですね。
こうした発想を押さえておけば、リアルビジネスでも、ネットビジネスでも、「おなじ利益率を叩き出すチャリンチャリンマシン」を複数作るコツが見えてくると思います。
さて、具体的なチャリンチャリンマシンの実例については、以前の連載ですでに説明しているので、そちらをご参照ください。
一度ひとつのチャリンチャリンマシンを作ってしまえば、けっこう複数に増やすのは簡単だったりするので、ぜひご活用ください。