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【新・資本主義をチートする07】 ガチャの魔力を横取りして、利益を得る方法


「ガチャ」というしくみ、言葉は良くできたもので、昭和生まれの私にとっても、あるいは平成生まれのヤング(死語やがな)にとっても、その魅力に誰もが取り付かれているといってよいでしょう。

 昭和50年代から60年代に小学生生活を過ごした中年たちにとっては、街角の文房具屋の片隅に数段置いてあった「ガチャガチャ」(あるいはガチャポン)は、青春と呼ぶにはまだ早い、「子供時代」を象徴するマシンであったと思います。

 当時はまだ20円程度のガチャガチャが大半で、現在の物理的な「ガチャ」のように、「おもてに表示されている商品がほぼ必ず出る」ものではなく、大半が「ハズレ」の景品で、たまに「当たり」が出るというバクチ性の高いものでした。

 当時の商品として一番記憶に残るのは、やはり「スパーカー消しゴム」あたりでしょうか。それ以外にも、かんしゃく玉・キャップ火薬などの「音モノ」や、スライムなどの怪しい物体、銃や手錠を模したおもちゃ、「なめるなよ」の猫グッズなど、こどもにとっては夢と希望が詰まったバクチへの第一歩が、ガチャだったように思います。

 「コスモス」というブランドがあって、もう少し高価(といっても100円程度ですが)なシリーズを販売していたのを思い出す方もいるかもしれません。コスモスクラスになると、「ちっちゃいオイルライター」とか「チョロQもどき」とか、女の子むけ「香水」とか、20円シリーズよりは多少実用的というか、マシな商品が当たる確率が高く、夢中になって景品を集めたものでした。


 そのガチャなるものが、スマホの時代になって少し趣向を変えて再登場していることは、すでにご承知の通りです。むしろ、スマホゲームのキモ、課金の要になっているこの「ガチャ」システムは、

 お金を入れて回す(擬似的に)と、欲しい商品が当たる

という、昔のガチャシステムそのものをデジタル化したことで、おっさんどころか若者たちをも虜にしてきたのです。


 ガチャは、スマホ時代のゲーム産業において、「大発明」であると言われます。それまでの「ファミコン」由来の伝統ある据え置きゲーム機においては必然的に「買い切り」でゲームを売買しなくてはいけませんでしたが、ガチャシステムの搭載によって、ほとんどのスマホゲームは

「ユーザーは無料で始めることができ」かつ「運営に利益をもたらすこともできる」

という、まさにWINーWINの関係を構築したわけですね。

 そこに至るまでは「体験版=正規版」のシステムだったり、「お試し期間」だったり、いろいろなゲーム課金システムが試行錯誤されましたが、今のところこの「ガチャ」という発明を超えるものは生まれていない、とされています。


 ところが、この「ガチャ」は、スマホゲームシステムの「麻薬」であるが故に、問題点も有しています。いくつかその要素があるのですが、まずは

「課金ユーザーが2割程度になってしまう問題」

が挙げられるでしょう。多くの人は無料でしか遊ばず、コアな課金ユーザーだけがガチャを回すことで運営が成立するという、どちらかといえば「ゆがんだフリーミアムモデル」があり、それをなかなか修正できない現状があります。

 あるいは

「運営もイベントの麻薬に囚われてしまう問題」

問題もあるでしょう。次から次へと、イベントと称して絵師を使って札を量産したり、アイテムを追加してゆかないと、ユーザーは増えず、金がさも上がらないという、お互いにとっての麻薬のようなシステムの「不備」がそこには存在します。

 そうして、ヒットを出すことができなかった「乗り越えられた屍ゲーム」たちは、こっそりと提供終了してゆくという残念なお知らせが増えるわけです。

 

 まあ、それはそれとして、わたくしヨシイエは、ほとんどゲームをしませんので、「物語シリーズぷくぷく」が終了しようと別にかまわないのですが(←やってたんかい)、資本主義チート術という視点から見ると、ここに大きなヒントが隠れていたことに気付かされたのです。

 ゲームと時間を消費するのなら、むしろ、ゲームを作る側に回って「お金を頂きたい」という発想に転換するのが資本主義チート術ですから、今回は

「ガチャというシステムをこちらで流用することで、お金を稼いでしまおう」

と考えました。

 ガチャは麻薬で、魔力を秘めています。それを横取りしない手はありません。


 さあ、では、どのようにしてガチャの魔力をパクり、こちらのお金儲けに利用することができるのでしょうか。そのヒントや理論を、恐ろしいことに既に解説してくれている話があるので、まずはそれを勉強してゆきましょう。

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