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可能性

今年の4月から社会人をスタートした。

配属は東京と決まっていたが、コロナの影響により6月まで兵庫の実家でオンライン研修になった。
4月から6月までの2ヶ月は、正直非常に楽だった。毎日、オンラインで会社の仕組みや制度について講義を受け、1日の終わりにその日学んだことについてまとめ、それを上司にメールで送るだけだった。いうなら、高校生と同じような生活をしていた。昼間の時間は割と拘束されていたが、全く忙しくないので、空いた時間は本を読んだり、散歩をしたり、動画を観たり、筋トレをして自分の好きなことをしていた。また、ご飯は作ってくれる、洗濯もしてくれる、お風呂は湯船に使ってゆっくりできる、これは実家の特権かもしれない。つまり、時間に余裕があって、楽して給料もらって、しかも生活費はかからないという生活を行なっていたのだ。

こう書くと、ただのほほんと暮らしているようだが(実際その通り)、一応自分だって将来に備えていた。どうすれば早くから仕事で成績を残せるのか、仕事をしながら人生を楽しく幸せに生きれるのかを考えていた。
実際に行ったことは「本から学ぶこと」である。とにかく自分に役立ちそうな本をAmazonで注文した。

【在宅研修期間中に読んだ本】
・人を動かす
・上京物語
・7つの習慣
・投資家みたいに生きろ
・孫子(漫画版)
・DaiGoの超読書術
・DaiGoの超集中力
・アイデアのヒント
・具体と抽象
・無理の構造
・地頭力を鍛える
・話すチカラ
・100円のコーラを1000円で売る方法
・多動力

小説や面白そうだと思って買った本もあるが、それはまた別の機会に紹介する。
それらを合わせると30冊以上は読んでいる。昔から本を読むことに抵抗はなかったが、多いときでもせいぜい1ヶ月5冊ほどしか読んだことがなかったため、このペースは過去最高であった。
本は偉大で、僕にだんだん社会人としてやっていける、また最高の人生を送る自信をつけてくれた。4月から6月の間で、確実に知識がついて考え方も良い方に変わったと思った。

そして6月1日、東京に向かった。

この2週間弱はあれやこれやと過ぎ去った。
部署に配属され、上司ができ、上司について周り、事務作業を教えてもらい、この会社で働いていくために必要な知識をどんどん詰め込まれる、という感じで毎日が過ぎた。

そして、1つの不安がおおきくなっていた。
僕はここでやっていけるのだろうか。
毎日、上司の間では知らない言葉が行き交い、やることが山だくさんで忙しそう。そんな上司が電話をしながらパソコンにカタカタとタイピングする姿を見ていると、僕は自信がなくなっていった。3年後、7年後にあんな風に仕事ができるのだろうか、と。
在宅期間中に読書で得た自信はみるみる薄くなり、いかに自分の考えが甘かったのか、自分は能力が低いのだと、自己嫌悪していた。

今日もそんな不安を抱えながら仕事をした。慣れないことばかりで疲れてしまった。
帰宅途中、そんな疲れ切った頭で僕はふらっと本屋に立ち寄り、そこで一冊の本を手に取った。
「なぜ僕らは働くのか」(池上彰)
タイトルに惹かれ、これは!と感じていたのだが、パラパラとページをめくっていると、自分の将来に対する不安を抱えていた心は落ち着き、そして次第に燃え上がっていた。
そして僕は本を置き、エネルギーをパンパンに溜めて、よし!という気持ちで家に帰った。(本を購入せずすみません。)

本はすばらしいと改めて感じた。
本は僕を勇気づけてくれたのだ。
僕はこの数ヶ月で自分のペースで出来るだけ多くの本と出会った。そして今思うことは、本は様々な可能性を与えてくれる、ということだ。読んで感動する、すぐに役立つというものもあれば、なんの役に立つのか分からないが面白い、ふとした瞬間に本の知識が生きるということもあるだろう。そして今回の僕のケースのように、倒れそうな自分を支えてくれる本だってある。

まだ社会人生活は始まったばかり、この先どうなるかなんてわからない。だけど、とにかく精一杯楽しんで生きていれば、結果的に幸せな人生になるんじゃないかなと思う。また落ち込むことは何度もあるだろうが、僕のそばには少なくとも本がいてくれる。それだけで心強い。

いまはただ前に進むのみ。
さあ、明日からいつもよりちょっぴり大きな声であいさつして仕事しよう!


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