アメリカの歴史的なインフレの中での企業の好業績
Marketplaceより経済の話題を一つ。アメリカではインフレがやばいことになっている。一方、インフレで企業のコストが上がっているにもかかわらず、なぜ企業の利益は上がっているのはなぜだろうかという今回のテーマである。昨年12月の消費者物価指数は前年同月比7%の増加であったとのこと。それは1982年以来最も大きな増加率であった。
食器用洗剤や衣料洗剤を販売している世界的企業、日本ではP&GでおやじみのProcter & Gambleは直近の四半期に価格を3%上げたが、販売は6%増加、その前の四半期は価格を1%上げ、5%の販売増加があったとのこと。他の企業でも、年の終わりにかけてさらに少しずつ価格の上昇傾向であった。企業はインフレを理由に価格上昇を意図的に行なっているという見方をする経済アナリストもいる。
他のスーパーなどの小売企業も高い売上、利益率を示した。これらの大企業の歴史的に高い利益の増加を受けて、企業に対して政治家から、消費者の生活への影響を最小限にとどめるためにどんな方策を施しているか質問があった。P&Gは様々なエリアでコスト削減努力を最大限尽くし、価格上昇とイノベーションを通じて消費者に充分な価値を提供できるようにすると模範的な回答。
研究者によると、そういった日常品においては、独占または寡占企業の生産の割合が多く、価格への反応は小さく、また消費者の忠誠心も強い。なので、そういった企業は価格決定力も強い。今回の例では、洗剤の値上がりにそれほど敏感ではなく、多少の値上げがあっても信頼がある企業のブランドを変えようとしないといったところである。
しかし、研究者によると、企業の利益の増加はインフレーションを加味した数字であり、インフレーションを加味した利益は小さいはずであるとのこと。インフレーションはお金より物の価値が大きくなるから、お金のものに対する購買力は小さく、お金で表される利益は実際より小さいといったものである。
話を日本に戻すと、自分の業界でも、需要は小さいのにそういったコスト要因から値上げをして、特にメーカーは利益率を上げている。数年前よりも1.5倍ほど値上げしているところもある。しかし、物が手に入らないから顧客は受け入れざるを得ないのである。
一般的にインフレになれば企業は利益が大きくなり、そして賃金に反映されれば消費者の購買力も上がり、企業の売上や利益もまた増えるという好循環を繰り返すが、今回は需要の上昇というよりも供給の減少による値上がりが大きいから、理想的なインフレであるとは言えない。実際の適正価格からは離れているのかは誰もわからないが、消費者に余裕がなくなれば需要は落ちるだろうし、今後コロナが落ち着き供給が戻ってきたらどうなるのかは注目される。
https://www.marketplace.org/2022/01/20/why-are-company-profits-rising-despite-inflation/
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