ダメな俺を認める
昭和の香りがする、俺。
出掛ける格好を見て、おじいちゃん風と言っては喜ぶ彼女。
俺はからかわれているのか。
今までは着るものには結構無頓着だった気がするが、彼女はそれなりにトッポい格好をする。
それに合わせることは出来なくとも、以前に比べて若干意識している俺がいる。
そんな時に彼女は言う。ダサ可愛いの方が良いと。
俺の格好悪いところが、彼女のテンションを上げる、らしい。
俺のダメなところが愛くるしい、と。
今までそれなりに頑張っていた所を全部見透かすように、全部否定されては、今を受け入れてくれる。
ダメな自分を受け入れると、こうも世界が変わるとは。
意識が現実を変える、とか巷では言われている時代で、その意味が全くわからなかったけれど、
今の彼女はそれを証明してくれた。
好きすぎて、困り果てている俺を横目で見て笑っている彼女が、俺は大好きだ。