嫌われたのかもしれない。#14
9月のはじめ、秋の気配が少しずつ感じられるようになった頃、美樹がオフィスにやってきた。彼女は少し疲れた様子で、わたしの向かい側に座ると、深いため息をついた。「どうしたの?」と声をかけると、美樹は迷いながらも、ゆっくりと話し始めた。
「最近、彼がずっと落ち込んでいて……。何か気分転換になればと思って、旅行に行こうって提案したんです。でも、あまり乗り気じゃなくて、結局断られちゃいました。それで、もしかしたら嫌われてしまったんじゃないかって、思ってしまって……。」彼女の声には、深