無信仰の日本人の末路
神道は複雑だ。古神道と国家神道があるから。何を信じていいか分からない、そんな人にこの本が助けになるに違いない。
『神道の神秘』山蔭基央著
神道には教祖、教義、戒律、偶像、組織が存在しない。それが弱点となり、明治維新から敗戦を経て、衰退の一途をたどり、いびつな国家神道へと姿を変えた。
今の日本人の殆どが無信仰だといわれている。西洋文明の物質面、学問面だけ受け入れてきた日本人。カトリック系の学校に行ってた人の方が、まだまともな大人になっている。
唯物論者はここぞとばかりに全宗教を否定。神も霊魂もなく人間は物であり、死後は何もないとする世界観は、日本人の倫理観に大きな悪影響をもたらした。
人は死ぬことですべてが終わるとなると、法に触れない限り何をやってもいい事になり、一秒でも長く生きることと欲望を重視するようになる。人間に生まれてきたことの意味を知らないままで。
霊的なものを求める若者が増すばかりなのに、大人はそれに応えられずにいる。神社自体の目覚めが必要だと著者はいう。霊的な問題への欲求は人間の本源なのだから。
激動の今こそ必要なもの
神道とは自然崇拝。人間、動物、植物、すべての自然物質の根源に、神の分霊が宿っているとされる。人々は神を祭ることにより自らの内にある神の分霊(直日霊)を増強する。
そしてこれからの激動の時代に神道の「鎮魂」がとても重要になってくる。鎮魂とは、心を身体の中心にある丹田に鎮め、魂の乱れを整えて直日霊を輝かせることだそう。
内なる神との対話を通じて、閃きや超越的な能力を受け取り、それに応えることが、自らの霊魂を進化させることだと、個人的には解釈している。
キリスト教は「奉仕」を通して自己の罪を消滅させようとするが神道は違う。神に近づくために精進し、神の働きに奉仕する。
そもそも神道とは、
現世以外に霊界・神界が実在するという確信があって初めて成立するもの。神霊が降臨してはじめて神社となる。
2023.5.12