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移植機を壊したくないなら、機械の音に耳を傾けろ

また、レタスの植え付けに挑戦させてもらうチャンスを得た。

今回は、前回とは違う農家さんだ。ただ、使う移植機はヤンマー製の乗用全自動移植機PW20。


前回、僕が乗って不調にしてしまった機械と全く同じタイプだ。

定価だと250万以上と結構高額。また、故障させてしまうんじゃないかと脳裏に不安がよぎるも、せっかくの機会なので運転させてもらう。

運転といっても、後ろについている移植機部分の上げ下げと、ハンドルを握ってアクセルを踏むくらいしかやることはない。畝の出入りは気を使うけど、小回りがものすごく効く機械なので、それもそれほど難しくない。

ただ、後ろにセットしたセルトレイがふとした拍子に詰まる。そして、それに気づかないで走っていると、セルトレイの送り出し部分が歪んでしまい、その結果機械はうまく動かなくなってしまう。

セルトレイの詰まりは本当に突然やってくる。予兆は無くて、送り出し部分は運転席の後ろについているので、気づきにくい。

今回は前回より低速で走って、しばらくは順調に進んでいく。
「おうおう、順調、順調。機械に異常がなければ本当に早いわー」と思っていた矢先、ふと後ろを見ると、しばらく左側の苗が植わっていない。

すぐに降りて確認すると。バッチリセルトレイが詰まっていた・・・。農家さんを呼んでトレイを引っ張り出したら、特に異常なくまた走ることが出来た。

それにしても恐ろしい、いつ詰まるかわからないとは・・・。そう思っていたら農家さんがいいことを教えてくれた。

「苗の植わり方を見てみて、普通に進んでいる時は一定の間隔で植えられているでしょ。で、ここ、不調が起きたところを見てみると間隔が明らかに狭くなってる。だから、よく音を聞いていると、タン、タン、タン、タンっていつも植えられているのに、こういう場所ではタン、タン、タ、タン、タ、タンみたいな感じでリズムが変わるから。それに気づけば詰まった時にすぐに対処できるし、すぐに対処できれば何の問題もないよ」

なるほどぉ、音か。確かにそれに気づけば機械のエラーにすぐに気付けそうだ。そこからはひたすら移植機が奏でる音に耳を傾ける。

タン、タン、タン、タンの四拍子が続いていればOKなんだな。うんうん、大丈夫大丈夫。あれ少しリズムが遅くなった?すぐに機械を降りて後ろを確認する。特に以上はない。植えるリズムが遅くなることはあるようだ。

更に乗り続けていると、タン、タン、タタと鳴った気がした。またすぐさま降りてみると、今度は本当にトレイが詰まっていた。ただ、詰まりはじめの段階で気づけたので、機械的にはほとんど問題がなかったはず。

音を聞く方法をちょっとは身につけたかもしれない。この方法を学んだことで、乗用移植機に乗るときの不安感はだいぶ無くなった気がする。いいことを教えてもらった。

今回の移植作業は二回の詰まりがあったくらいで機械に問題はなかった。ただ、苗の状態があまり良くなかったみたいで、うまく植えられていなかった部分は多数。その後の補植はかなり大変だった。

移植後は、中玉トマトの収穫。途中でちょっとつまみつつ大量のトマトを収穫した。ここのトマトはいつも美味しい。

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