オホーツクの秘湖、チミケップ湖へ向かう
北海道三大秘湖、に加えられたり加えられなかったりする湖、チミケップ湖に向かった。
加えられたり、加えられなかったりと言うのは、ネットで調べてみると、三大秘湖は、オンネトー、オコタンペ湖、東雲湖が一般的らしいがここにチミケップ湖が食い込むこともあるらしいからだ。まあ、それはともかく、チミケップ湖へ足を伸ばす。
チミケップ湖は美幌町の隣町、津別町の外れにある。津別の町を抜けてしばらく南に向かい、途中で右に曲がる。さらに進んでいくと、どんどん山奥に入っていく。道の両脇には、それほど大きくない牛の放牧場が点在する。道路には少し不気味な程のモンシロチョウが飛び交っている。どこまで走ってもずっとモンシロチョウがいる。車に跳ねられた蝶がいくつも転がっており、不気味さを助長していた。
10数キロ走ると、アスファルトの舗装が途切れ、砂利道に入った。さすが、三大秘湖に入ったり入らなかったりする湖だ。砂利道になってからは秘境の雰囲気が漂ってくる。道も所々に穴が空いており、慎重に運転しながら更に進む。砂利道を10分ほど進んだ先、鬱蒼とした森の中、曇り空の下に、チミケップ湖が見えてきた。湖の周りは、全て森に囲まれている。湖の畔を見ると底に沈んだ木がはっきりと見えるくらい水はきれいなようだ。ただ、湖底の大半は藻に覆われていてほとんど覗き見ることができない。辺りには、鳥の鳴き声、虫の羽音だけが響いている。まさに非日常の世界だ。
チミケップ湖の周りを少し走ると、落ち着いた雰囲気の素敵なホテルが見えてくる。湖畔唯一の宿泊施設、チミケップホテルだ。少しだけ中にお邪魔してみると、室内も洗練された気持ちの良い空間だった。きっと、どこぞの重役が日々の喧騒を離れて、一週間くらい釣りをしたり読書をしたりして癒やされていく場所なんだろう。有名な小説家が、1ヶ月くらい物書きに集中する場所としても使われているかもしれない。僕もいつかは泊まりに来てみたいと思う。
ホテルを離れ、更に行った先にあるキャンプ場を見て、帰路につく。帰りには津別町の木材工芸館キノスに立ち寄り、つむとちょっと遊んで帰る。津別町、なかなかおもしろい町だ。今度は津別峠にも行ってみないとな。