農家の支払い事情について考えてみたこと
農家の商習慣に、収穫後払いというのがある。もしかしたら北海道だけなのかな?
農業に関係するありとあらゆるモノほとんど、秋や年末まで支払いを待って貰える仕組みだ。新規就農の僕でさえ、農業関連の業者からモノを買う時は秋以降の支払いでいいよと待ってもらえる。適応範囲は、肥料に、種に、小物に何でもござれだ。
すごく農家を優遇してくれているシステムだと思う。
来年度からの営農に向けて準備を始めている僕らも、少しずつモノを買い始めている。業者さんは秋以降の支払いで対応してくれる。
配慮してくれてるんだなぁ。と思う一方で、自分の口座からは秋までお金が減っていかないので、実際どのくらい使ったのか分かりにくいのはちょっと怖いなぁとも思う。
業者によっては、モノと一緒に置いてく納品書に値段の記載が無いものもあるし・・・。支払先が書いてある請求書なんて、もちろん届かない。そして、それをすでに使い始めている。
秋の請求、いくらになってしまうんだか・・・。
うん、
僕らはできる限りその場で払いたいと伝えようかなぁ。収穫後支払いって言うのは、農家にとって便利な半面、状況把握が難しくなる諸刃の剣な感じがするよなぁ。そもそも秋まで支払えない額のものを購入するって言うのもちょっと怖いし。
と、ここまで考えていたが、北海道の農家さんの状況をおちついて捉えてみるとちょっと違う考えも出てきた。
大規模に農業やっている人たちは年間の売上が2000〜5000万くらいにはなっているっぽい。その中で利益が30%残ってるとしたら、残り70%は経費になる。ということは、必要になる経費は1400〜3500万。
売上として回収できるのは収穫後、販売できてからになるから。物品の支払いを都度払いにする場合、年始めに、かなりの額を営農資金としてストックしておかなければいけないことになる。
実際の農家さんの事情は知らないけれど、シーズン開始時点で、口座にこの規模の金額をストックしている人ってどのくらいいるんだろう?
個人事業主として農業をやっている場合、その年の利益のどのくらいを自分の収入と捉えて、どのくらいを事業用にストックするお金としているのかなぁ?
利益が多い人は、節税対策もある程度はしているかもしれないし、そう考えると事業用口座に残るお金はそこまで多くないのでは?
というか、そもそも事業用と家庭用、口座を分けて使ってるのかなぁ?
なんてことを考えると、大規模な農業をするにあたっては、収穫後支払いにならざるを得ない事情があるのかもと思うのだ。
まぁ、収穫後支払いになったとしても自分できちんと把握できる体制を作っておけば問題ないし。僕は、そうしよう。
「ただ、それにしたって金額なしの納品書だけを置いていくのはやめておくれぇ・・・。」
ちなみに、今日もつむぎはこども園を楽しめたようでした!