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ビニールハウスの潅水どうする問題

注文していたアスパラハウスのビニールが農協に届いたらしい。2月から育てていたトマトやナスの苗もそろそろ定植したいくらいの大きさに。ハウスを準備しなければ。

ハウスづくりの最後に残された大きな課題。それは「潅水」だ。去年は青い灌水チューブを使っていた。等間隔で小さな穴が開いたチューブで、勢いよく水を流すとそこから噴水のようにショワーっと水が吹き出す方式だ。灌水チューブは安くて手に入りやすく便利に使えていた。ただ、大きな問題があった。

灌水チューブはその特性上、チューブがパンパンに膨らむくらいの水量をキープして上げる必要がある。そうでないと穴から水が吹き出さない。そのため50mのアスパラハウスで使おうとすると、必要な水量はかなりのもの。水道直結はもとより、電動ポンプで押しても50m先の散水量はチョロチョロチョロとしか出ない状態だったのだ。

アスパラハウス2棟分に必要なチューブは8本。1本1本、時間をかけて水やりをすることになったら、もう、ずっと水やりにかかりきりになってしまう。それは困る。

ということで、今年は灌水チューブをやめて点滴チューブ(ドリップチューブ)を使ってみる予定だ。ドリップチューブも、基本的には灌水チューブと同じで長いホースに等間隔で穴が開いたつくりだ。大きく違うのが穴がただの穴ではない点だ。穴の部分に流量を調節するチップのようなものがセットされていて、流れ出る水の流量が調整されている。これを使うと、チューブを長く張ったとしてもどの穴からも均一にポタポタと水やりをすることが可能になる。

一度に噴出する水量が少ないため、適正に使うために必要な水量も灌水チューブに比べて少ない。ドリップチューブであれば、水道直結でも何本かまとめて水やりすることができるかもしれない。

先日、津別の柏葉農園さんでのドリップチューブの使い方を見せてもらった。なんとそこではポンプも水道も使わずに水タンクを高い位置において、そこからの自然落下で水やりを行っていた。こんなこともできるのか、すごいなドリップチューブ。

ドリップチューブを買おうとネットで検索をはじめる。ドリップチューブにはいくつかの種類がある。国産のものでは「恵水」や「四万十チューブ」、あとはイスラエルさんの「ストリームライン」あたりがメジャーなようだ。「恵水」だけダントツに安い、が、今回は柏葉さんおすすめの「ストリームライン」を購入しようと思っている。それに、ドリップチューブによる農業はイスラエルが進んでいるのだ。

「よしよし、じゃあ「ストリームライン」をポチるか」

とここでエンターキーを押す手が止まる。水の送り方考えないとな・・・。

まずは「ストリームライン」の適正な水圧を調べてみると、1barらしい。barってなによ・・・。ググってみる。

「ほうほう、1barは0.1MPaか。Paってなんだっけ」

Paは圧力の単位でN/m2(=kg/ms2)のことらしい。ああ、なんかそんなことも習ったなぁ。タンクを高い位置においた場合の水圧も計算してみる。深さh(m)の位置の水圧Pは水の密度を1000(kg/m3)として、重力加速度を9.8(m/s2)で計算すると。

P = 9800 x h (Pa) となる。

これをMPaに変換すると P =0.0098 x h (MPa)。つまり高さ1mのところに水タンクを設置したら約0.01MPa、0.1barってことか。あれ、全然足らなくない?1barを出すのに必要な高さは10mてこと・・・?そうなん?でも、柏葉さんのところは高さ1.5mくらいでやっていたような気がするしなぁ。水圧低くてもいけるのかしら。

水道直結も考慮に入れて配管を考えないと行けないかもしれない。じゃあそこからの配管も検討しよう。配管に使うのによく出てくるのはポリエチレンパイプっぽいけど、ホースじゃダメなのかなぁ?これはどうやって穴を開けたりつないだりするのかしら。口径は3/4?単位はなんじゃい!

あぁ、もう難しい。

この時点でずっと足踏みをしている。考えれば考えるほど深みにハマる、ビニールハウスの潅水問題。もう一度先輩農家さんのところにお邪魔しよう。

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吉田拓実|さいこうファーム OKHOTSK BIHORO
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