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営農開始に向けて、事業形態(特に税制)について調べてみた

 新規就農研修3年目がもはや終わろうとしています。4月からはいよいよ営農開始。「3年も研修かぁ、結構長いな」と思っていたけれど、始まってみればあっという間。一年目は基本的な作業や、農業機械の乗りこなし方を教えてもらい、二年目は同じ様なスタイルの農家さんの家で一緒に作業させてもらい、三年目は自分たちで実際に野菜を作ってみました。この歳にして新しく学ぶことばかりの刺激的な三年間だったなぁ。ただ、いざ実際に営農が始まると思うとまだ分からないことや不安なことが盛りだくさん。

 そもそも、農業始めるにあたってぼくらはどんな事業形態を取る必要があるの?そのあたりをちょっと調べてみました。

新規就農の開業スタイル

 家族が農業者じゃなく農業を始める場合、2つの始め方があります。1つは、農業法人に就職する形で農業を始める方法。この場合は、普通のサラリーマンとあまり変わらないので会社の人に任せていればそんなに心配がなさそうです。もう1つはぼくらのように自分たちで畑、農機具その他諸々を調達して自営する方法。この場合、もはや責任者はぼくら自身。売上、経費、利益の管理や納税などなど、会社員時代はほとんど関わらなかったものも自分でやる必要が出てきます。

 どうやら、農業で開業するには他の事業と同様で、「個人事業主」になるか「法人」を設立するかのどちらかのようです。事務処理や信用など様々な違いはあるようですが、ぼくが今回調べたのは税制度の違い。国に開業届けを出すって、結局のところ、どんな感じで税金収めますよ、という宣言に近いのかなと勝手に思ってます(もしかしたら間違っているのかも・・・)。

個人事業主と法人の税制の違い

 気になる個人事業主と法人の税制の違い、わかりやすかったのがこちらのサイト。

※最終更新が2020年2月なのでもしかしたら変わっている部分があるかもです・・・。

 ざっくり言うと所得が低いうちは個人事業主、高くなってくると法人の方が税制面でのメリットがあるとのこと。例えば年間所得が200万の場合個人事業主だと合計税率が20%、法人の場合は25.89%と個人事業主の方が税率が低いようです。ただ年間所得が330万を越えたあたりから一気に所得税があがってくるようで、所得が増えていくにあたって合計税率で最大55%も!一方で法人の場合は所得が400〜800万で27.57%、800万以上だと33.58%で固定。

 「え、つまり330万越えたらもう法人のが得なの?」と思ったのですが、実は話はそこまで単純じゃないようで。個人事業主の税制は累進課税といって、330万を越えた場合の所得税20%というのは330万を越えた部分だけに適応されるとのこと。つまり、400万円の所得があった場合は400−330の70万円分だけ20%、それ以外の330万円はまたそれぞれの段階の税率がかかります。

 「うわ、めんどくさ、つまりいくらよ!」と思いますよね。そこについてわかりやすかったのは上のリンクではなく、こちら。

 所得税の速算表というのを見ると、税額が分かります。所得が800万だったらまず、対応する税率で掛け算し、その値から対応する控除額で引き算すると実際の所得税額が計算できます。ちなみに800万だと8000000x0.23-636000=1204000円。法人税と同じ様に一定税率だと考えた場合の税率は1204000/8000000x100で15.05%となります。

 一方で法人の場合、現在は800万以下の所得税率は15%らしいので、この時点で所得税についてはだいたい同じくらいになるみたいですね。中小の法人は800万円を超える所得には一律で23.4%の税率がかかるそうです。それぞれ所得税だけ抜き出して考えると900万円がターニングポイントになるようです。

自分で計算して作図しました。900万円で完全に一致!間違ってたらすみません

 ただただ、さらにややこしくなるのが、法人だと自分への報酬を全額経費として付けられる点です。個人事業主の場合は自分への報酬という考え方がそもそもない(個人事業主は扱いとしては自分の財布の中ですべてやりくりしているイメージに近いのかなと僕は理解しました。つまり、事業所得=自分への報酬と捉えられる感じ。元会社員としてはすごく不思議な感じです。)ので、計算のベースになる所得が異なることもかなりありそうです。「むむ、そしたらやっぱり法人の方がいいのかな?」と思いきや、法人からもらった報酬については、自分個人のレベルでまた所得税や住民税がかかってきます。

 「うん、超複雑!!」

 このあたりのことについてはこちらを参考にしました。

さて、結局どうするの?

 ということで、あんまり根を詰めて追いすぎると何がなんだかわからなくなってきます。結局のところ、所得がそこまで高くない時点では(800万に届かないくらいなのかなぁ)、税制的に個人事業主で損をすることは無さそうです。なので、ぼくらはまずは個人事業主として営農を始めようというところに至りました。
 というか、そもそも税金のことを考える意味があるくらい所得が残ればいいなというのが新規就農の現実的な悩みですよね!

 次回は、そもそも個人事業主になる必要あるの?編を書く予定です!


※今回の内容はネットで調べて僕が理解したことをまとめています。もし間違っている部分があればぜひ教えてください!!

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吉田拓実|さいこうファーム OKHOTSK BIHORO
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