『ぼくのPlayStationClassic』part.4「ファイナルファンタジータクティクス」~軽やかなゲーム性と重厚なストーリー~
本稿は、思い出の20本のプレイステーションソフトについて紹介・思い出語りをするコンテンツです。
※他のタイトルはぜひこちらの【予告編】を御覧くださいませ。
第4作目は「ファイナルファンタジータクティクス」
FF7が出た1997年の6月30日に発売されました。
FF7の勢いもそのままに、シミュレーションRPGとしては史上最高の売上である126万本のヒット作。
このゲームが人の心を惹きつけたポイントは以下の2点だと思っています。
・自由度の高いゲーム性
・葛藤・裏切りなどを多く含む重厚感のあるストーリー
本稿は、この2点をベースに組み立てていきます。
(それなりにネタバレを含みます!!懐古パーソンズのみなさまは是非)
目次
・概要
ーゲーム性
ーストーリー
・思い出語りパート
・概要
ーゲーム性
本作はいわゆるシミュレーションRPG。
ですが、旧来のそれとは違うポイントが2点あります。
・高さの概念
・時間の概念(ターン制ではなく、各キャラごとの操作)
……旧来のそれ、と書いたのですが、基本的には「タクティクスオウガ」と同様のゲーム性です。なぜなら作った人が同じだから。
(このあたりは当時ちょっと論争になっていた気がします。)
まあその点はおいておきつつも、それに加えてFFシリーズでお馴染みのジョブシステムや、モンスターを仲間にするシステム、相手ユニットを勧誘し仲間にするシステムなどを搭載しています。
これらの組み合わせにより、自由にキャラを作ることができ、それらを組み合わせた自由なパーティ設計ができるようになります。
(一部固有キャラがえげつない強さなのに目を瞑って……)
※誰とはいわねえけど……
例えばモンスターが気に入った人はモンスターだけで組んでもいいですし、事実チョコボの最終進化版である「赤チョコボ」はスピードが早い上に遠距離の高ダメージ技を持っており舐めたものじゃなかったりします。
加えて、サイドミッションである「儲け話」も非常に充実しており、特定のミッションを進めていくことで通常では仲間にならない固有キャラが仲間になったり、作中作のサウンドノベルを楽しめたりと幅が非常に広いゲーム性でした。
※ちなみに作中作のアドベンチャーゲームは4作あり、
島をめぐり財宝を探す冒険小説「空想魔学小説」
ギャンブルに人生をかけた男の物語「ナナイ人生真書」
ハードボイルドテイストの「ウイユヴェール」
「ときめき」がポイントとなる「エナビア記」
とこちらもバラエティ豊か。とりわけウイユヴェールは難易度が高く、苦しめられた人も多かったのではないでしょうか。
若干とっちらかりましたが、まとめると、FFTのゲーム性は非常に自由度が高く、プレイしていてストレスが少ない軽やかさが特徴です。
※「なぜか一騎打ちを強いられる」「連戦で途中でセーブすると詰む可能性がある」「そのくせ滅法強い」などの様々な要素がかみ合った強烈なストレス源はこいつくらいです。
※この動画だと楽勝なんですけどね……
ーストーリー
さて、もう一方の魅力が重厚なストーリーです。
ストーリーのモデルは15世紀にイングランドであった内戦薔薇戦争。
それになぞらえ、白獅子・黒獅子をそれぞれ家紋とした二家による争い、獅子戦争を背景に物語は進んでいきます。
主人公はそのうちの白獅子の紋章、ラーグ公の幕下にある名門家系ベオルブ家の末弟ラムザ・ベオルブくん。彼は序盤では良いとこの坊っちゃん然とした人物でしたが、ハードな境遇に晒され続け、強く、しかしそれでも理想を捨てない男に成長します。
主人公のラムザくんの境遇をざっくりまとめると以下のとおりです。
・一度味方になったキャラが割と頻繁に敵になる。大体口汚く罵られる。
・「異端者」「犯罪者」など、ありとあらゆる汚名を被る。
・家からは破門。長兄は化物に、次兄がゾンビになって襲ってくる。
・兄弟で唯一仲良しだった妹は狂これでもかってくらいさらわれ続ける。
・歴史上に残る大貢献をしたはずが、さっぱり後世に残っていない。
切ない。とても切ない人生です。
第一章の終わり頃、もうひとりの主人公とも言える親友ディリータの妹が兄の命令で死ぬことになり、彼と離別することになったあたりからストーリーはジャンジャン重くなっていきます。
親友ディリータは甘さを捨て去りありとあらゆるものを利用し、歴史の表舞台にも出ますが、ラムザは正史の裏側でありとあらゆるこの世の業を一身に受け、誰にも知られぬ戦い続けます。
その終着点、第4章のタイトルは「愛にすべてを」。
二人の主人公、それぞれを表すタイトルと言われています。
・思い出語りパート
色々な思い出はありますが、ストーリーを振り返って色々なページを見ていたらあまり話すべきことがなくなってしまいましたが、
「家畜に神はいないッ!」とか
「熱いベーゼで殺してあげるから逃げちゃイヤよ」とか
「…兄さんだって知っているでしょ? 私があいつに何をされたか…! 知っているクセにッ!!」とか
「おお、シモ~~ヌ ウヴァテュ~ ジュテ~~~~~~~~~~~~ム ケスコンヴァフェールドゥマ~~ン」とか
とにかくセリフが印象的なゲームだったなあと思うのです。
(プレイした人ならどのシーンかは一発でわかると思います)
後にFFTはシリーズとして「ファイナルファンタジータクティクスアドバンス(FFTA)」、「FFTA2」が出たり、共通の世界観を持った作品として「FF12」が出たりと様々な作品の基礎となる非常に重要なゲームでした。
正直、FFT以外はそこまで本腰を入れてプレイできなかったので比較はできないのですが(どれも途中で投げ出してしまったため)、思い出補正も込で計算したとしても、全ての最初であるFFTが私は一番好きなのです。
それでは、次回はFFシリーズよりはグッとマイナーに、しかしマイナー界隈では王様的存在であろう「moon」でお会いしましょう。
(了)