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ストレスが「顕在化」する前に

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人はストレスを受けると、心身に変調が現れる

 人はストレスを受けると、心身に変調が現れます。
 心理面では気分の落ち込みや孤独感、うつ病、健忘症、摂食障害など、身体面では胃痛や胃潰瘍、片頭痛、気管支喘息などが起こり得ります。
 それと同時に、怒りっぽくなったり飲酒量が急増したりすることもあります。

「あまり気にならない」という人が最も危険

 ストレスに対する耐性には個人差がありますが、「あまり気にならない」という方が最も危険だと著者は指摘します。
 本当にストレスを感じていない人もいるだろうが、大多数は「ストレスを感じていることに気づいていない」のではないでしょうか。

注意したいのは、複数のストレスが同時に生まれた時

 注意したいのは、複数のストレスが同時に生まれた時です。
 「仕事が忙しくなって、家族との関係がギクシャクし始めた」「離婚することになり、引っ越しを余儀なくされた」などの場合です。

心や体が「ストレス反応」を起こして変調をきたす

 複数のストレスが一度にのしかかって限界を超えると、心や体が「ストレス反応」を起こして変調をきたします。
 頭痛や腹痛、めまいなどで病院に行っても、原因がわからないことが多い。また、悲しくもないのに涙が出たり、寝付きが悪くなったり、仕事のミスが続いたりすることもあります。

ストレス反応が見られたら、適度に休んで自分を労わって欲しい

 ストレス反応が見られたら、適度に休んで自分を労わって欲しいです。
 作者は「やばいな」と思ったら何もしません。
 執筆もしないし、SNSも観ません。
 ストレスは「顕在化」する前に対処をしなければなりません。

ストレスに上手く対処して発散する方法を、「ストレス・コーピング」

 ストレスに上手く対処して発散する方法を、「ストレス・コーピング」と呼にます。コーピングは「状況を操作しようとする反応」という意味です。

 代表的なストレス・コーピングには2種類あります。

1つ目は問題終点型コーピング(プライマリー・コントロール)

 1つ目は問題終点型コーピング(プライマリー・コントロール)です。
 これは、ストレスの原因となっている出来事を変化させ、ストレスを解消しようとする対応です。
 例としては「転職をする」「友人や恋人と別れて、新しい人たちとつき合い始める」などです。
 この方法は効果が高いものの、実行が難しいという難点があります。

「職場でストレス」を感じているなら、「職場を変える」しか方法はない

 でも作者も「職場でストレス」を感じているなら、「職場を変える」しか方法はないと思っています。
 だって職場の人間関係は変えられないのです。

2つ目は情動焦点型コーピング(セカンダリー・コントロール)

 2つ目は情動焦点型コーピング(セカンダリー・コントロール)です。
 ストレスの根本原因を取り除くのではなく、ストレスで生まれた不快な感情を、自分でコントロールしようとするものです。
 上司から叱られた場合、「期待されているから怒られるんだ」とポジティブに解釈したり、友人に愚痴を聞いてもらったり、趣味に没頭したりすることが代表例です。

ストレスと向き合い続けなければならないという欠点がある

 自分で簡単に対応できるが、根本的な解決ではないため、ストレスと向き合い続けなければならないという欠点があります。

まとめ 2つのコーピングを状況に応じで使い分け、適切に対処していこう

 「ストレス沼」は放置すれば深まる一方です。
 2つのコーピングを状況に応じで使い分け、適切に対処していくと良いです。

【参考】保坂隆(2023).『精神科医が教える こじらせない心の休ませ方』.大和書房