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文章は「論理」×「感性」で書く

 本節では伝わる文章に求められる「ロジック」について掘り下げていきます。

文章ロジックはロジカルシンキングとは別物

 文章ロジックはいわゆるロジカルシンキングとは別物です。論理だけでもダメです。感性だけでもダメです。

 読者に共感してもらいたい、信頼してもらいたいという目的で文章を書くときに求められるのが、論理と感性の2つを掛け合わせた「文章ロジック」なのです。
 編集者はこの論理と感性を文章に編み込んでいるのです。

 文章ロジックのイメージを示しました。
 相手から共感と信頼を得たい場合、論理と感性の両方が必要になります。
 「ロジカル」だけを追求した文章は当然のことながら「論理的」になり、読み手に与える信頼は高くなります。他方で、文章が無機質になりがちです。
 一方、「エモーショナル」を追求した文章は「感性的」になります。

図 文章ロジック

【出所】上野郁江(2018). 才能に頼らない文章術 ディスカヴァー・トゥエンティワン Kindle版 Np.1222を元に筆者作成

何故文章には論理と感性の両方が必要なのか


 何故文章には論理と感性の両方が必要なのでしょうか。
 それは先に述べた通り、感性がないと無機質で面白くない文章になってしまうからです。
 論理的であっても、心に響かない文章は読みにくく、それゆえに伝わりにくいのです。
 
 私にとっては学術論文ほど面白いものはないのですが、
仮説を証明するために論理立てた文章で書かれているのが学術論文です。
 読んでいて爽快感を感じることはあまりないでしょう。
 まあ、まだジャンプとかの方が面白いですね。

文章ロジックに求められるのは「ゆるやかなロジック」

 本書ではロジカルとエモーショナルの両方を満たすロジックを「文章ロジック」と呼びます。
 文章ロジックに求められるのは「ゆるやかなロジック」、
略して「ゆるロジ」です。

【参考】上野郁江(2018). 才能に頼らない文章術 ディスカヴァー・トゥエンティワン Kindle版 No.1210-1265

論理と論理的とロジカルシンキング

 皆様は論理と論理的とロジカルシンキングという用語の違い、説明できますか。
 
 『13歳からの論理ノート』(PHP研究所)の著者、小野田博一氏による定義を用いて3つの用語を整理することにします。

 小野田氏によると、論理的とは結論に対して「その理由に『もっともな感じ』がある時、それを『論理的』と呼びます」と定義しています。

 そこで本書では論理を「結論と理由をつなぐ理屈」と定義し、論理的を「結論と理由の関係に『もっともな感じ』があること」と定義します。

 ロジカルシンキングとは、本書では「論理を考える際の考え方」と定義します。
 なお、ロジカルシンキングを用いて文章を書く手法のことを一般的には「ロジカルライティング」と呼びます。
 
【参考】小野田 博一(2006).13歳からの論理ノート PHP研究所

図 論理と論理的とロジカルシンキング

【出所】上野郁江(2018). 才能に頼らない文章術 ディスカヴァー・トゥエンティワン Kindle版 No.1265を元に筆者作成


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