日本人が意識すべきこと。若い子達に成長させない日本固有の組織の欠点を補って、海外では普通の個人主義を取り入れよう。
みなさんは、日々の生活の中で常に全体を意識して自分個人の色を出すことが無いように気をつけているかと思います。
この点において、私が海外で体験したこととそれから日本に帰ってきて改めて気づいたこととして、日本がちょっと特別だよという点について少し述べますね。
先ず、海外時代に驚いたことについて述べますね。日本人が職場の昼休みに同僚達と食事に行き同じメニューを頼むことってアルアル!じゃないですか。
たまたま、シンガポール人の同僚と日本人の同僚達と一緒に食事に行った時に、日本の感覚で日本人は、同じメニューを注文したのですが、その時にシンガポール人の同僚の一人が、こう言いったのでした。
「どうして、日本人は、同じ物頼むんだ!」その時、私達日本人は思わず目を合わせて?という怪訝な表情になりました。
その瞬間、ちょっと緊張した感じがしたのです。それで、何故、私達日本人は、そういう行動をとるのかということを私なりに補足説明したのです。
「日本人は、全体を考えるんだ。こうしてお昼を皆んなで食べるんだから、バラバラに注文して一人だけ遅く食べ終わった場合、他の人達に迷惑をかけるから同じ物を注文するんだよ」と。
その説明を聞いた後での、そのシンガポール人同僚の答えは、至ってシンプルでした。「私達は、食べたい物を食べるよ。当たり前でしょ。」
そう彼女は、言って話題を変えたのでした。彼女からすれば、自分の好きな食べたい物を注文するのは、ごく普通だったのでしょう。
どうですか?みなさんは。昼休みに同僚達と食事をする機会が有れば、同じメニューを頼んだりしていませんでしたか。
私もサラリーマン時代は、上司や同僚と食べる時に同じ物を注文していました。まあ、私の場合ほとんど誰かと外食する時って、海外勤務時代だったので、一緒に行動することが必要とされる開発途上国での話なので、みなさんとは違うのでしょうけど。
さて、話を海外では、普通な個人ベースでの思考に戻してみましょう。
先程から述べているように、常に自分個人を意識してアピールすることが求められていたときに、実は私自身は、それがプレッシャーとなっていました。
何故なら、責任の所在が明確になるからです。日本のことわざにも言い出しっぺが責任をとるみたいなのがありますよね。
まだ30ちょっとの若造でも日本の会社の数少ない日本人ということで、現地人からの期待や取引先との交渉に引っ張り出されたり、結構大変でした。
特にクレーム対応で、急遽タイのチェンマイに出張で行かされた時は、冷や汗モノでした。
行った先の工場では、缶詰め状態で、こちらの販売している部品が原因であるから賠償しろという圧を感じながらも、駆け引きを続けて、原因問題は後日の解析にて究明することにして、取り敢えず生産ラインの再開に必要な数量の部品の受注にこぎつけて帰国したのでした。
この時ほど、自分個人の考えを相手に伝える力って大事だと思い知ったのでした。
環境で人は、変わるという言葉があります。まさにその通りだと思うのです。
せっかく成績優秀で入社しても、組織の中でずっと手伝いや補助的な業務をして徐々に仕事を覚えて行くみたいなやり方をしていると判断力、直感力、迅速に解決する能力が身に付かないのでは?と思うのです。
日本に帰国後、再就職した組織のありさまを体験して、改めてそう思ったのでした。
もちろん、只今まで述べたことは、もう15年以上も前の話です。流石に、今は、日本の会社組織でも、改善は進んでいると願っています。
但し、不安になるのは、今、非正規フルタイムで働く職場で見かける若い子達の優秀さに比べて、月1のアルバイト先で見かける若い子達が全然違うことです。
どうやら、若い子達の間にも格差があるようです。働く環境が違うことで、人間成長の機会が失われて、個人主義を通り越して、自分勝手なワガママ、英語で言うところのselfish になっているのではと。
将来の日本人は、働く環境下で受ける影響がかなり違ってくることでしょう。なので、どんな環境下でも、ワガママにならぬように、自分個人を成長させる環境下において、先の見えない不安定な時代を乗り切ることができるように、我々年寄りも若い子達のサポートに回りたいと思ったのでした。