吉田幸司著『本質を突き詰め、考え抜く 哲学思考』(かんき出版、2023年)目次
はじめに
なぜ、いま哲学が事業として成立するようになったのか
本書の構成
ビジネスパーソンこそが哲学を取り入れる意義
第1章
ビジネスの現場での「哲学活用」最前線
「哲学の社会実装」という新規事業開発
グーグルやアップルによる「企業内哲学者」の雇用と欧米における哲学活用
問題解決偏重の日本の市場
ルールメーカーを目指す欧米企業
日米欧における「倫理」の捉え方の違い
コラム GAFA礼賛への警鐘と哲学活用の功罪
「哲学とは何か」という哲学的問題
「哲学」の三つの意味
哲学者のスキルセットと「哲学シンキング」
コラム 実務家でもあった哲学者、哲学に学んだ投資家
哲学をビジネスの現場に適用できる目的や用途、フェーズとは
1 デザイン思考を補強する哲学シンキング
2 「なぜ」を深堀りして基軸を確立する
3 高解像度の本質理解のための哲学
4 価値の追求と世界観の拡張
コラム 日本の政策や経団連でも「倫理哲学」の必要性が説かれ始めた
哲学活用のアウトプットと多様な広がり
「これからのビジネスに哲学が必要/役立つ」の真意とは
第2章
本質を問い、世界観を拡張する哲学シンキング
「哲学すること」と「考えること」
日本のビジネスにおける哲学的な対話を取り入れる伝統
さまざまな「〇〇思考」と哲学シンキング
哲学シンキングのためのマインドセット
哲学シンキングのステップ
ステップ1 問いを立てる
ステップ2 問いを整理する
ステップ3A 議論を組み立て、視点を変える
ステップ3A―1 掘り下げて問う
ステップ3A―2 別の視点に振ってみる
ステップ3A―3 共通点や違いを問う
ステップ3B 別の問いのグループに切り替え「視点を変える」
ステップ3B―4 問いや意見を極端にしてみる
ステップ3B―5 具体例・反例を挙げる
ステップ4 核心的・革新的な本質を発見する
ステップ4―6 異なる問いや意見を関係づける
コラム プラトンのイデア論の批判から考える本質批判
複数人のワークショップ形式で実施する場合
ステップ0 テーマおよび時間・場所・参加者の設計
ワークショップの実施
ステップ1 問いを集める
ステップ2 問いを整理する
ステップ3 議論を組み立て、視点を変える
ステップ4 核心的・革新的な問いや本質を発見する
ワークショップ後
コラム 哲学対話と哲学シンキングの違い
第3章
哲学シンキングを導入した企業事例
企業でのケーススタディ
CASE 1 組織における対話文化の仕組み化 日本電設工業株式会社
働き方改革と女性活躍推進とは何か
本音のコミュニケーションの必要性と活躍像の見直し
解決策―「社内哲学シンカー」と仕組み化
成果―主体的な行動への変容と組織内の自己変革
組織力とポテンシャル
CASE 2 物事の本質を捉え、新たな視点・価値を生み出す
株式会社セールスフォース・ジャパン 平塚博章氏
これまでにない思考法の体験
隠れたインサイトを発掘し、構造化する
「ワクワクする〇〇」を量産するには?
呼吸をするように使いたいポータブルスキル
CASE 3 アイデア発想を強化するビジネススキル
トリプルデザイン株式会社 三上龍之氏
世の中の変化に合わせ、デザインアプローチとデザインスキルを進化
マインドセットとリテラシーを支えるスキルを整理する
哲学シンキングの三つの活用法
スキルセット強化の一環として「洞察力を磨く」
アイデア発想を強化するために「モヤモヤを残す」
哲学シンキングの絶大な効果……「答えはでなくていい」
CASE 4 ハイパフォーマンスチームを構築する
横河電機株式会社 伊原木正裕氏
組織の「もったいない」をなくす
関係性とハイパフォーマンスチーム
哲学シンキングの運用上の特性とこれから
第4章
専門知に基づく哲学コンサルティング
専門知を活用した哲学コンサルティング
もう一つのハーバード・ビジネス・スクールの系譜
コラム SECIモデルとプロセス哲学
異なる価値観や世界観をいかにして理解しつなげるか
従業員エンゲージメントをどう上げるか
「個人」ではなく「分人」としての〈私〉
三木清の「虚無」と「孤独」
ドゥルーズの「分人」「管理社会」批判
コラム 現代経営学の源流としての「科学的管理法」
「出来事」の連なりとしての人生
ホワイトヘッドの「生命」概念
哲学シンキングの哲学
異なる世代間の価値観・世界観のギャップ
潜在する多様な〈私〉と生命としての個人
単なる世代論ではない普遍的な人間理解に基づく組織運営
おわりに
選択肢を広げ、未来を切り拓く「May」の哲学
※関連書籍(ストーリー形式での実践方法)