見出し画像

算数の重要性〜「幼児教育」こそが数学の根幹をなす

中学生に数学を教えていると、「算数」の重要性を痛感させられる。

たいていの生徒は計算があまりにも遅い。

🔷計算が下手。
🔷数の面白さを知らない。
🔷工夫が足りない。 

幼稚園・小学生の間に、もっと数に親しみ、数を自分の手足のように扱うことができていれば、計算はもっと簡単に楽にできるし、自分で工夫しながら独自の世界を作り上げることができるし、計算が容易にできれば、その先の複雑な問題を解く際のストレスも減り、さらにもっと上のステージに進んでいくことができる。

🔶算数や数学のセンス
🔶右脳的発想
🔶ビジュアルイメージ

これらを塾の指導に取り入れると嫌悪感をあらわにする生徒や保護者がいる。

保育園・幼稚園・小学校低学年までだと許される指導の仕方が、小学校高学年以降は急速に受け入れられなくなる。

いわゆる幼児教育と高等教育との間に分断が生まれてしまっていることは非常に残念だ。

原因は一言でいうと「頭の固い俗人たちの拒絶反応」である。

算数と数学の関係性でいえば、「高等数学」は小学算数と地続きで繋がっているものであり、幼児教育で扱うようなビジュアル的発想・パズル的発想がその根幹をなす。

楽しみながら数学はできる

私の言いたいことはこれに尽きる。

どの科目についても言えるが、とにかく勉強は楽しいものであるので、ぜひ皆で共有したい。

もし勉強が楽しくないのなら、必ずどこかにその原因・ひずみが存在する。

このブログがその改善の契機となれば幸いである。

算数の重要性

この画像は、公立中学3年生の男子と共に平方根の計算練習をした際のYouTube動画のサムネイルである。

当塾では、ただ単に機械的な計算をするだけでなく、「数のもつ面白さ・楽しさ」を伝えながら、できる限り試験で効率良く処理できるよう指導している。

私は小学生の時に、中学入試専門塾で勉強した経験があるが、そこで数についてたくさん練習を積み、数の面白さ・楽しさを学んだ。

受験算数の面白さに魅了されて、学生時代には浜学園 (関西の有名塾) で算数を教えた。

受験算数においては、いわゆる「IQ要素」の強いビジュアル的・イメージ的・パズル的感覚を駆使しながら、図やグラフを用いて処理することが多い。

例えば「つるかめ算」や「旅人算」では、面積図・線分図などといった特別な解法を用いる。

つめかめ算・面積図


旅人算・線分図


これらの問題は、中学以降では方程式を用いて計算のみで解くのが通常であるが、小学校では方程式を扱わないため、図やイメージを用いた独特の解き方をする。

小学算数と高等数学とでは、一見全く異なる解き方をするので、両者に連動性はないように思われるが、自分が中学・高校と進み、高等数学を学ぶようになって、いわゆる幼児教育あるいはIQ的感覚がいかに高等数学に大切であるかを身をもって知ることとなった。

中学・高校の参考書・問題集では数式のみで解説されることがほとんどであるが、そのベースとなる考え方・発想には根底でビジュアルイメージが当然のように存在しているのであって、もしかしたら解説者も気付かずに書いているかもしれないほどの、言葉では表しにくい観念のようなものが数式の底に流れている。

これらは「目に見えない力」であるので、わからない人には一生わからないし、説明が非常に困難なものであるのだが、いわゆる「センス」と言おうか「直観」と言おうか、数のイメージや観念というものがその人のベースとして存在しているかどうかが、数学をマスターするにおいて非常に大きな影響を与えているものであることは間違いない。

たとえ中学・高校の数学教師であっても、そのイメージ能力の乏しい人の方が多いのではなかろうか。

私もこれまで数多くの数学講師の授業を受けてきたが、ビジュアルイメージを講師と生徒の間で共有できるかどうかが、「わかりやすい指導」の分かれ目となる。

「同じ絵を描く」などと一般的にもよく言われるが、相手の頭の中・心の中に明確なイメージを描かせることができるかどうかが、「人にものを伝えること」における重要ポイントとなる。


話は飛躍したが、中学・高校の高等数学において、いくらレベルの高い公式や考え方を使おうとも、基本的には算数から地続きで積み上げられているものであるから、本来は小学生でも理解できる考え方を用いて説明できるはずであるし、それができないようであれば、根本的には数学を理解できていないということになる。

小学生でも容易に理解できる
これで本当に東大数学が解ける


いわゆる堅物と言おうか、頭が固いと言おうか、マニュアル通りの杓子定規な説明しかできない数学の講師は一定数存在する。

もちろんそれでも問題は解けるのであるが、本質的には何も理解できていないし、何よりも楽しくない。

本来は講師自身が「数の持つ面白さ」「数式の美しさ」などのような学問的関心を抱きながら指導することが望ましいが、そういう関心を持たない、あるいは持てない講師がほとんどであるので、学ぶ子どもたちは当然数学が楽しくない。

このことを当の講師自身も気付いていないというところが絶望的であるが、同じような話は勉強だけに限らずどこの世界にも腐るほどあるので、仕方がない。


今回のこの動画において、私の教え方は一見レベルの低い幼稚なものに見られるかもしれないが、数学の本質に従った王道の指導である。

これは頭の固い俗人にはとことん毛嫌いされてしまう指導内容であり、絶対的に嫌われてしまうことはもう避けようがない。

私のこの指導内容がスッと頭に入って共感できる人は「IQが高く頭の柔らかい人」である。

この両者の違いは残念ながら厳然と存在する。

分かり合えない人とは本当に分かり合えないし、そういう人は最後には怒り出してしまうから厄介だ。

もっとも、中学入試の経験がなく、公立小学校・公立中学校だけで普通に学んできた人にとっては、全く触れたことのない知識であるから、私の指導の仕方が理解できなくても何も罪はない。

今までたまたま経験したことがなかったというだけだ。

今まで経験したことがないにも関わらず、私の指導がスッと頭に入る人は、非常に良いセンスの持ち主だ。

直観的なひらめきやIQが高いに違いない。

そういう人たちは、人生においても、発想力・実行力に長け、充実した人生を歩んでいることが多い。

私はそういう人たちとこれから仕事をしていきたいし、共に楽しんでいきたいと考える。

いいなと思ったら応援しよう!