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【釣り随想】「期待が大きいと、それに応じて落胆も大きい」(短)

私は、基本的に一度使った写真は再使用をしないことを原則としていたが、今回はそれを破ることにした。要するに、ほぼ毎週金曜日に同じ所で釣りをしているのであるから、どのみち、同じような写真ばかりになる。

10月14日、エージャックス市のロータリー・パーク近くの上掲写真のスポットに赴いた。内心、私は秘かな期待を抱いていた。

というのは、いつも同じ場所で釣りをする長年の日本人釣友、Mさんが、前々日、同じスポットで約40センチのキャットフィッシュ(すなわちナマズ)を釣り上げ、そのあとで、背後の浅い沼地みたいなところで、「膝丈」ものカープ(すなわち鯉)を釣針にかけ、数分続いた激烈なファイトの後、釣り糸を切られてバラしたという話を聞かされていたからだ。

こういう話に鼓舞された私は、リュックサックの中にいつもは入れないネット(捕獲用網)と自撮り棒を入れた。「今日こそは、私も大物のキャットフィッシュかノーザンパイク(カワカマス)を釣り上げ、自撮り棒を使って得意満面の私と魚の写真を撮るのだ」と自分に言い聞かせたし、実際、そんな気がしてきてならなかった。

それで、まさに上掲の写真と同じ場所、正確にはさらに右側に降りた石の上あたりから、できるだけ遠くにラインを投じた。仕掛けは極めてシンプル。重りと針とミミズ。近場に投げるとベビーサイズのナマズばかりかかって、餌は食われるし、針を取り外すのが難しく、不幸にして死なせてしまう可能性があるので、できるだけ遠くに投げる。

ナマズのサイズについて、M さんと私の間で「ベビー」「幼稚園」「小学生」「中学生」などと呼び分けている。中学生サイズ以上だと「少年サイズ」とかにしている。

張り切って出かけた私だったが、結局、幼稚園から中学生サイズのナマズを5匹釣っただけで終わった。

ネットも自撮り棒もリュックサックの中で沈黙したままだった。

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