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【英語】ビジネス英語を攻略した僕の人体実験㉘ 『華やかに見える海外生活の裏側』

シンガポールの高層マンション。窓の外には、熱帯の太陽が容赦なく照りつけている。まるで燃え盛る炎のような陽光が、コンクリートジャングルを焦がしている。その熱気は、窓ガラス越しにもひしひしと伝わってくる。エアコンの効いた室内にいながら、肌がじりじりと焼けるような感覚。

きらびやかな高層ビル群、洗練された街並み、多様な文化が織りなすエキゾチックな魅力。シンガポールでの海外生活は、一見すると華やかな夢の世界のように思える。しかし、その裏側には、英語という言語の壁だけでなく、数々の見えないストレスが潜んでいる。今日は、そんなシンガポールでの、ちょっぴり苦くて、でもどこか滑稽な思い出をいくつか書き記してみようと思う。

ある日の昼下がり、不意にインターホンの音が静寂を切り裂いた。モニターに映し出されたのは、見慣れたスーパーの配達員。しかし、彼の顔にはいつものように生気がない。まるで感情というものをどこかに置き忘れてきたかのような、虚ろな表情。そして、そこには愛想のかけらもない。シンガポールでは、これが日常茶飯事なのだ。そして、玄関を開けると…

「またか……」

配達予定時刻から4時間も遅れて届けられた荷物。インターホンを鳴らしたにも関わらず、無造作に玄関前に放置されいる。約束の時間やサービス心なんて、所詮あってないようなもの。そんな諦念にも似た感情が、僕の中にゆっくりと広がっていく。

それから数日後の朝の出来事。窓の外には、朝日がゆっくりと昇り始め、新しい一日が始まろうとしている。僕は、冷蔵庫からキンキンに冷えたアイスコーヒーを取り出し、その苦みをゆっくりと味わう。すると、ふと玄関に目をやると、そこには見覚えのあるスーパーのロゴが入った段ボール箱が。昨晩の配達指定で注文した冷凍食材だ。

「昨夜のうちに届いてたのね」

妻の声に、かすかな皮肉が混じっている。冷蔵庫を開けると、そこには変わり果てた姿になった冷凍食品たちが。一晩放置された鶏肉は、もはやチキンの塩焼きというより、東南アジアの屋台で売られている「サテ」のよう。

「南国の洗礼を受けた、特別なスパイス風味さ」

そんな乾いたジョークも、妻の険しい表情の前では色を失う。僕は、無残な姿になった鶏肉を諦め、朝の市場へと足を向ける。湿気を帯びた熱風が頬を撫で、行き交う人々の喧騒が耳に飛び込んでくる。市場の活気は、シンガポールのもう一つの顔だ。

家族でセントーサ島へ遊びに行った、ある晴れた日曜日。ビーチは人で溢れかえり、レストランはどこも長蛇の列。まるでテーマパークのアトラクション待ちさながらの光景だ。ようやく見つけた小さなスペースにシートを広げると、隣からはフィリピン人のメイドさんたちが大音量の音楽を、その隣からは食欲をそそるバーベキューの煙。ここは一体、ビーチなのか、それともどこかの宴会場なのか。多様な文化が入り混じるシンガポールでは、こんな光景も日常茶飯事だ。

ある朝の朝食後、窓の外には、熱帯の木々が風にそよぎ、鳥たちが楽しげに歌を奏でている。冷蔵庫を開けると、そこには無数の黒い点。昨夜食べ残したマンゴーに群がるアリの大群だ。まるで、黒い砂粒が意思を持って蠢いているかのようだ。シンガポールでは、食べ物を少しでも放置しておくと、たちまちアリの餌食になる。しかも、そのアリの小さいこと。まるで、動く胡椒粒のようだ。僕は、掃除機と殺虫剤を手に、終わりなきアリとの孤独な戦いを始める。

金曜日の夕食後、窓の外には、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。マリーナベイ・サンズの光が、夜の帳を幻想的に照らし出す。家族団欒のひととき、テレビには現地の自然番組が流れている。突然、画面に映し出されたのは、巨大なゴキ◯リ。黒光りするその姿は、まるで童話の中のカブトムシの騎士が纏う甲冑のよう。と思ったら、それはテレビの中ではなく、なんとテレビの画面に張り付いている本物だった。子どもたちの悲鳴、妻の凍りついた表情。僕は、思わずコーヒーを吹き出しそうになりながら、ティッシュでその騎士を捕獲する。

「シンガポールの虫は、日本の比じゃないな…」

家族の驚きと恐怖が入り混じった表情を見ながら、僕は思わず呟く。シンガポールの夜は、刺激的で、そして予測不可能。まるで深いジャングルの奥深くを探検しているかのような、そんなスリルさえ感じさせる。

そう、一見きらびやかに見える海外生活には、英語という言語の壁以外の見えないストレスが多くあるのだ。それは、時に滑稽で、時に驚きに満ちている。まるで、熱帯のスコールのように、僕たちの日常に突然降り注ぎ、そしていつの間にか消えていく。そんな、ちょっぴり苦くて、でもどこか愛おしい思い出たち。それらこそが、僕たちの海外生活を彩る、かけがえのないスパイスなのかもしれない。そして、この多様な文化と、時に予測不可能な出来事が織りなすシンガポールでの暮らしは、僕たち家族を、より強く、そして深く結びつけてくれるのだろう。

次回もまたテーマを決めずに僕が思いついたことを自由に書くことにする。英語は世界につながるどこでもドアを開けるためのカギだから、僕は僕が見た僕にとっての新しい世界を、これからもこのnoteに書き綴っていきたい、いまはそう思っている。

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