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『共依存』 ~船戸雄大被告の地裁判決を受け~

目黒区女児虐待死事件で父親の船戸雄大被告の地裁判決が出ました。

求刑懲役18年に対し13年の判決。

 今日の判決を受けてウサギケージ監禁虐待死事件などのルポ『鬼畜』の家~我が子を殺す親たちの著者石井光太さんが取材を重ね、裁判でも明るみになっていない事実を含めた記事を書いています。
 既に指摘されているDVという両被告の関係性が要因であることに変わりはないのですが、今回は主にそれを取り巻く背景が書かれています。

【デイリー新潮】裁判では分からない「結愛ちゃん虐待死事件」の真実 雄大容疑者を苦しめた“実の両親”


 DVの多くには共依存が見られます。
共依存というのは字の通りでお互いが依存関係にある状態です。
実は私も過去に鬱とアルコール依存症の女性とお付き合いをし、医師から共依存と言われたことがあります。

 生きづらさを抱えている人や困っている人を見ると
『何とかしたい』
と正義心と情熱を燃やす。
その情熱を向けられた側は自己肯定感が低い状態なので
『こんな私を大事にしてくれる素敵な人』
と正に”運命”のようなものを感じてしまう。
記事で船戸優里被告の背景はあまり深く語られていませんが、彼女は前の夫・・・要は結愛ちゃんの父親からもDVを受けていたということも書かれています。まさに彼女自身もなんらかの子ども時代の背景があり自己肯定感が極めて低くそれを埋めるために生きる、根っからの共依存体質であるようです。

では共依存だとどうなっていくのか?

『困らなくなったら』『自己肯定感が回復されたら』終わってしまう関係
なので悪意もなく無意識に近いのですが
『困り続けるように』『自己肯定感が回復しないように』
努めるのです。
そのことで関係はひとまず持続されます。
しかしお互い無意識でも『ダメ』なほうへと向かっているので破滅へ向かうしかなくなります。
それが今回の船戸雄大被告と船戸優里被告の関係の根本にあるからこその事件であることは、記事での新たな事実を見ても変わらないと思います。

 ただこの記事で注目される新事実の一つは、想像はされたことですが雄大被告も父親から”頭の骨が変形するほど”の虐待を受けていたということ。
これは雄大被告がDV体質であることに説得力を持たせる過去です。

どういうことか。

 いわゆる虐待の連鎖なのですが虐待など何らかの事情で子どもの頃に受けた愛情が足りなかったり歪(いびつ)だったりという機能不全家庭に育つことで自己肯定感や自己愛も不足したり歪になり、無意識にそれを調整しようと支配的な関係を作り、そこで満足を得るという形で満たしていく。そうした満足を得る言動が”認知の歪み”となっていきます。

 雄大被告は大麻や危険ドラッグにも手を出したとのこと。
大学にドラッグを始めたというそのきっかけは事実とは違うのかもしれませんが、自己肯定感や自己愛の低さから説明することも可能だと思います。

 そんな自己肯定感が極めて低い船戸雄大被告と同じく自己肯定感の極めて低い船戸優里被告は互いを埋め合う。

雄大被告は『絶対何とかする』
優里被告は『こんな私を大事にしてくれる』

一見、情熱的な恋愛物語のようでありますが、実はそこには”愛”なるものはまったく無く、結果的に破滅するのですが『自分の空虚を埋める』という自分本位の物語になるのです。

その物語の先に犠牲となったのが・・・結愛ちゃんなのです。

『鬼畜』の家でもそのようなことが触れられていますが、虐待者である船戸雄大被告と船戸優里被告は『鬼畜』な性格の人間ではなく、子どもの頃から続く”歪み”がそうならしめてしまった《犠牲者》なのかもしれません。
もちろん二人を擁護するのではなく、背景からの事実として。

次の結愛ちゃん出したくないのは確かですが
次の雄大被告、優里被告を出さないこと。

そこに私は向かいます。


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