
仏教は自分を知るということ
今日の授業で一番印象に残ったことはTedさんが紹介した詩でした。
詩人の名前はメヴラーナ・ジャラールッディーン・ルーミーというイスラム教のルーツを持つペルシア文学史上最高の神秘主義詩人です。
メヴラーナ・ジャラールッディーン・ルーミーは、1207年、現在のアフガニスタン北部バルフに生まれた。父は高名な神学者だった。当時のバルフは中央アジアにおける重要都市だったが、勢力を拡大しつつあったチンギス・ハンが、西方に向けて進軍を開始。1219年、12歳だったルーミーは、モンゴル軍の来襲を恐れた家族と共に郷里を去った。10年間の流浪の旅の後、たどり着いたのがトルコのコンヤである。ルーミーという名は、彼が残りの生涯を過ごしたトルコ(ルーム・セルジューク朝)にちなんで号された。
https://www.bookclubkai.jp/portfolio/people72/
"The Guest House" by Rumi
This being human is a guest house.
Every morning a new arrival.
A joy, a depression, a meanness,
some momentary awareness comes
as an unexpected visitor.
Welcome and entertain them all!
Even if they’re a crowd of sorrows,
who violently sweep your house
empty of its furniture,
still, treat each guest honorably.
He may be clearing you out
for some new delight.
The dark thought, the shame, the malice,
meet them at the door laughing,
and invite them in.
Be grateful for whoever comes,
because each has been sent
as a guide from beyond.
(Translated by Coleman Barks)
人間はゲストハウスのようなもの
旅人が集まる宿のようなもの
毎朝 あたらしい旅人がやってきます
“喜び”さん、”絶望”さん、”意地悪”さん、
思いがけずに、気がついたら 訪れています
そんな旅人全員を
歓迎して 迎え入れてください
例え”悲しみ”さんの集団がきて、
あなたの家や家具が荒らされ
何も無くなったとたとしても
一人一人を大切にもてなしてください
彼らはきっと新しい喜びをもたらす為の
準備をし、浄化してくれたのでしょう
“ネガティブな思考”さん、
“羞恥心”さん、
“悪意・敵意”さん、
そんな旅人も
ドアのところで笑って迎え入れ
歓迎しましょう
どんな旅人も
感謝をこめて、歓迎しましょう
なぜなら、旅人はあなたを導く為に
彼方から贈られてきたのですから
FOR ME NY
https://formenewyork.com/2021/04/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E7%B4%B9%E4%BB%8B-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B9%E7%89%B9%E5%88%A5%E7%B7%A8/
この詩を読んだときに最初に思ったことはIntegrityでした。
・自分自身に誠実でいること。自分の価値や自分という存在の本質、自分の気持ちや自分の置かれている状況に対して正直でいてもいい
・誰かに命令されたり、強要されたとしても、自分自身を保つ能力がある
・誰かにお金で買われることがない
Integrityについてはこちらに詳しく書いてあります。
楽しい、嬉しい気持ちだけでなく、もういなくなりたいくらいの悲しみや、誰かを攻撃したい、傷つけたいとくらいの怒りなどネガティブの感情も自分であることを受け入れることが大切なのではないかと感じました。
マイナスな気持ちが沸いてくると、そのように思ってはいけないと自分の気持ちを押し付けてしまったり、悪い状況になることを避けてしまうな自分がいると感じています。
それは自分の気持ちを素直に表現すると他人から何か思われることが多く、自分を傷つけたくないと感じるようになってしまうために、そのように思ってしまう癖がついてしまっているのかもしれません。
自分の気持ちを見ないようにすることを続けることによって、自分が何かわからなくなってきてしまうのかなと思います。
ネガティブやマイナスの気持ちが沸き出てきても、その自分を受け止めることが、「自分を知る」「自分らしくいる」ことができるのではないかと思います。
それに加えて、自分が大切にしているものや価値観、そして生きる希望を見つけることができるのではないかと思います。
しかし、素直に気持ちを出すと周りの人を傷つけてしまうこともあります。
正直なところ、私もよくしてしまいます。
自分に素直になりながら、周りの人を尊重できるように気持ちを表現できるようになっていきたいと思います。
六趣(六道)
この詩を読んだときに仏教の六趣(六道)のことだと感じました。
地獄界:怒りの心
餓鬼界:貪り欲張る心
畜生界:愚かな心
修羅界:自分中心に考える心
人間界:上の4つの心を良心によって抑えられる心
天井界:有頂天の心
人間の心の中にはこの6つの世界がかわるがわる起こっています。
このことを六道輪廻といいます。
個人的にこの六道を聞くと私の好きな漫画『ナルト』に出てくる「ペイン」のことを思い出します。
どんな人でも六道の心を持っている。
仏さまも持っていたと思います。
怒りや、自己中な心が湧き出ることは自然な現象であることと受け止め、気持ちの中から自分を知り、どのように自分をコントロールできるかを探していくことが、仏教を生きることなのではないかと私は思います。