本ってご飯のお供みたいな存在
「なあなあ、本って面白い?」
すれ違いざまに聞こえたのは、お父さんとおぼしき男性と話す男の子の声。
残念ながらお父さんの答えは聞こえず、本好きの私としてはちょっと残念。
「お父さん、なんて答えたん?」と気になりながら、ふと、「自分ならどう答えるかな?」と思ったんです。
そうは思ったものの、本の何がどう面白いかなんて、ほとんど意識したことがなく、「好きなもんは好き」「面白いもんは面白い」などと、子供への答えとしては、なんとも頼りないものしか思い浮かばず。
その男の子が、本に興味があって聞いたのか、それとも本は面白くないと思っているのかわからないけど、もう少しマシな答えを返してあげたい。
読む人によっても、本のジャンルによっても、面白いと思うポイントは違うので、一言で本の面白さを言い表すのは難しいけれど、例えば、自己啓発書なら、新しい考え方やアイデアのヒントが見つけられて面白いとか、旅小説なら、旅行を疑似体験できるのが面白いとか、推理小説なら、思いもよらないトリックにワクワクするとか。
それはそうなんだけど、ありきたりというか、それを面白いと意識して読書してないというか、あまりしっくりこない。
で思ったんですが、本そのものの面白さというよりは、本を読む時間や空間が好きで、その時間・空間で読む本が面白いんじゃないかと。
お茶やお酒を飲みながらソファーでくつろいで読む本、寝る前にベッドでゴロゴロしながら読む本、時には電車や飛行機での移動中に読む本、旅先で読む本。
リラックスしている時もあれば、イライラしている時もあるし、時間に余裕がある時も、ほんの短い時間しかない時もあるけど、その時の気分や場所にあわせて、さっと手に取って本を開く。
これだけで、気持ちがリセットできたり何かに気づいたりできることが、私にとっての読書の面白さかもしれないです。
ちょっと唐突ですが、本ってご飯のお供みたいな存在。
鮭フレーク、明太子、佃煮のり、塩昆布・・・、種類も豊富で、その日の気分によって、いろいろと選べるし、少しづつ食べても、ご飯にど~んと乗せてもOK。
少しアレンジしてご飯以外のものと合わせると、意外な美味しさに出会えることもある。
ちょっと添えるだけで、ご飯のうま味が何倍にもなるし、美味しくてついついご飯が進む。
本も同じ。
自己啓発本、ノンフィクション、エッセイや小説、小説の中にもミステリーあり恋愛物あり、古典文学もあり、とジャンルも様々。
すきま時間にさっと読んでも、じっくり時間をかけて読書に浸るのもいい。
本からの気づきを、別の場面に活かすこともできる。
そして、読むだけで時間が有意義になったり視野が広がったりもして、ついつい次の本を手にとってしまう。
仕事のための読書であれ、趣味の読書であれ、その時の自分にあった本を読めば、自分なりの面白さが見つけられる気がします。
あなたはどうですか?
「本って面白い?」って聞かれたら、なんと答えますか?