介護予防・日常生活支援総合事業の図解 概要
A市介護保険課と協働で介護支援専門員資質向上事業を行なっていると、A市地域包括支援センターの方々から総合事業でも同様の研修を行ってほしいと依頼があった。貴重な機会を頂いたので、自分の学びとして総合事業を図解してみた。
・歴史の転換
2000年介護保険制度施行時はできない事に対して介護サービスを提供する"できない事が価値の時代"だったと言える。その結果軽度者の大幅な増加をもたらした。
2005年介護予防導入は"できる事に価値を置く時代"という転換点になった。しかし、できない事が価値の時代からの脱却は難しかった。
2012年地域包括ケアシステム推進はできる事を共有することが求められるようになった。つまり、信用価値の不確実性をいかに是正するがポイントと言える。いくら自分ができると思っていても相手ができると思っていなければ意味がない。例えば、事業所側ができると思っていても利用者や家族がそう思っていない(もしくはその逆パターン)事例は多い。
情報の非対称性が生じる背景には、"モニタリングがうまく機能していない"こと"ICDIH思考からICF思考へのシフトが行えていない"ことが原因かもしれない。
2015年介護予防・日常生活支援総合事業開始は価値をマッティングさせる場を構築したと言えそう。
・新しい介護予防事業
この2つの事業が連動し機能するためには、まちづくりの視点が必要だと改めて感じた。
・相当サービスとサービスABCの違い
新しい介護予防事業では、ニーズができない事の支援なのか、できる事の支援なのかニーズを細分化して使い分ける必要がありそう。例えば、買い物に行ける人が引き続き行きたいというニーズであれば通所型Aという流れだろう。一方、心身機能低下により外出ができていない人はどちらになるんだろう?相当サービスを一定期間利用後に通所型に移行する流れになるのかな?
・相当サービスと通所型Aの使い分け
相当サービスと通所型Aの区別が不明確なのが気になったが、どこに価値を置くかで使い分けができそう。体力に自信がないから運動ができない場合と体力に自信があるから運動ができる場合で考えると、前者は相当サービスで後者は通所型Aになりそう。
・通所型Aと通所型Bの使い分け
通所型Aと通所型Bは、共にできる事に価値を置いている。そのため、何の価値を重視するかで使い分けができそう。心身機能に価値を置く場合は通所Aで精神機能に価値を置く場合は通所Bになりそう。
・通所型Cの使い分け
サービスCの活用方法について、地域包括支援センターから相談される事が増えている。それだけ自由度の高いサービスなのかもしれない。ニーズが不明確で細分化できない人の動機付けとして活用できそう。個人的には、薬剤師が介入しポリファーマシーや残薬の解消に活用できれば費用対効果の高いサービスになるかもと妄想している。通所サービスで薬剤師と協働するのは面白いかもしれない!
・医療介護予防連携構想
明日はA市で医療介護連携研修会を主催する。医療介護連携は介護保険制度を活用して地域でどうやって支援していくかに話題が集中しがちだ。介護保険制度以外の内容が話題に上がることは少ない。
退院支援 × 介護予防事業や地域連携 × 介護予防事業という医療介護予防連携があってもいい気がする。例えば、外科的術後の患者などで医原性サルコペニアを呈しているものの、介護保険を申請せずに退院する事例に対して一般介護予防事業や総合事業で支援する方法はどうかな??
すでに上記の内容は行われており私が知らないだけかもしれないから、明日確認してみよう。
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