『幸福な人生』の土台になる「つながり」という社会資本の見直し方
現代社会において、仕事や経済的な成功だけが幸福の指標ではありません。
橘玲さんの著書『幸福の資本論』が示すように、「つながり」という社会資本が、人生における本当の幸福をもたらします。
この記事では、仕事一辺倒の生活を見直し、家族や友人との関係を深めることの重要性と、どのようにして充実した人間関係を築いていくかについて詳しく考察します。
40歳の公務員・サラリーマンが、退職後の孤独を避け、人生の後半をより幸福に過ごすために、何を優先するべきかについて僕の意見を交えてお伝えします。
「つながり」は幸福の土台
作家の橘玲さんの著書『幸福の資本論』には、幸福の条件として「金融資産」「人的資本」「社会資本」という三つの資本を育てる必要があると書かれています。
このうち「つながり」は社会資本であり、幸福を考える上で最も重要な要素とされています。
人生の後半では、仕事の引退、子供の自立、親との死別など、これまで築いてきた人間関係と切り離されるライフイベントが訪れます。
このとき、どれだけ深く、どれだけ多くの「つながり」を持っているかが、幸福な人生を左右するのです。
資本という言葉には、目的のために「蓄えていく」という意味があります。「つながり」も一朝一夕で築けるものではなく、人生の後半に向けて少しずつ蓄えていく必要があるのです。
仕事以外の人間関係に時間を投下する
多くの人が会社の同僚や部下と仕事帰りに飲みに行ったり、休日に遊んだりすることがあると思いますが、職場での人間関係に依存していると、退職を機に「つながり」を失うリスクが高まります。
定年後も「つながり」という社会資本を豊かに保つためには、現役のうちから家族や友人など、仕事以外の人との時間を積極的に持つことが重要です。
定年を機に孤独になる恐怖
職場で仲が良かった人とも、定年退職後には疎遠になることがよくあります。
「仕事」という共通の目標があったからこそ、愚痴を言い合ったり、意見を出し合ったりしていた関係も、仕事がなくなることで、会う目的や話題がなくなり、つながりが途切れる可能性があります。
また、上司と部下という利害関係があったからこそ、成立していた人間関係ということも考えられます。
仕事の人間関係に依存していると、定年退職と同時にその「つながり」が途絶え、家族という一番身近な社会資本も積み上がっていない状態になる可能性があります。
仕事ばかりしていた人が、定年退職を機に奥さんから離婚されたり、家の中でも居心地が悪くなる話もよく聞きます。これは、「つながり」という社会資本を貯めてこなかった典型的な例です。
残業や休日出勤が多い職場であれば、仕事量の少ない部署への異動を希望したり、月に1回飲み会があるなら、さらっと断って家に帰りましょう。
僕は、月の残業も5時間以内、飲み会は自分が絶対に参加したいと思うもの以外は断るようにして、家族との時間を大切に使うようにしています。
自分の時間をGIVEする
職場の飲み会や同僚と遊びに行く回数を減らして、家に長く居るだけでは十分ではありません。
例えば、仕事から早く帰ってきても、YouTubeやNetflixを見たり、漫画やSNSを見て過ごしていたのでは、家族とのつながりは蓄積されていきません。
大切なのは、自分の時間をGIVEする精神を持つことです。
例えば、子どもの宿題を見たり、一緒に遊んだり、奥さんと一緒に夕食の支度や片付けをするなど、相手と同じ時間・体験を共有することで、信頼関係が構築され、つながりは強化されていきます。
「家に帰った時くらい、ゆっくりさせてくれよ」という気持ちはよくわかりますが、「つながり」という社会資本は「時間」を投下しないと育つことはありません。
毎日毎日、自分の時間をGIVEし続けた結果が、「つながり」という社会資本になって返ってくるのです。
ライフステージに合わせた配分を考える
「つながり」という社会資本を育てるためには、時間も重要ですが、それと同じくらいタイミングも重要です。
「親孝行、したい時に親はなし」という言葉があるように、タイミングを逃さないことが大切です。
読者の中には子育て真っ最中の方も多いと思いますので、子どもとの時間の関わり方についてお話しします。
子どもが小学生になるまでに、親がどれだけ関わったかが、その後の子どもの人生と親子の関係に大きく影響します。
子どもが小学生や中学生になってから親子の関係を取り戻そうとしても、子どもにはすでに自分のコミュニティができていることが多いです。
自分のコミュニティを持ってしまってから「つながり」を深めようとすると、膨大な時間と労力を消費することになります。
だからこそ、子どもが小さいうちは「子どものため」にGIVEすることが大切です。
これはパートナーや両親にも当てはまります。
結婚してから子どもが生まれる前は、夫婦二人だけで過ごせる貴重な時間です。
子どもが生まれた後は、二人でゆっくり食事したり旅行する時間はなかなか取ることができません。
また、親が高齢期を迎えると、病気や介護の問題が出てきて、旅行に連れて行くことも難しくなります。
このように、自分のライフステージに合わせて、どのタイミングで、誰に時間を使うべきかを考えることは、後悔のない人生を送る上でとても重要です。
自分の居場所をたくさん作る
自分の居場所を複数持っている人は、一つしかない人よりも幸福を感じやすいと言われています。
職場や家族だけでなく、友人、趣味の仲間、地域のコミュニティなど、様々な人とゆるくつながることが重要です。
新しいコミュニティに入るのが面倒だと感じる方もいるでしょうが、まずは身近にできるボランティアから始めてみるのも良いでしょう。
例えば、PTAの役員や祭りやイベントの実行委員などを引き受けると感謝され、新しい人間関係を作るきっかけにもなります。
消防団などのボランティアにチャレンジすることで、人間関係と収入を同時に得ることもできます。
他にも、オンラインサロンに参加して共通の価値観を持った人とつながるのも良い方法です。
こうして自分が心地よいと感じられる居場所をいくつか作ることで、自分のアイデンティティが形成されて、幸福な人生へと繋がっていきます。
まとめ
「つながり」という社会資本を育てるためには、時間をかける必要があります。
お金や健康は、自分一人の努力で積み上げられますが、「つながり」という社会資本を育てるためには相手が必要です。
それゆえに思いどおりにいかなかったり、幸せになるつもりが不幸になることもあります。
しかし、冒頭にもお伝えしましたが、人間関係は幸福に最も重要な要素です。
ここから逃げていては、幸せな人生にはたどり着けません。
仕事よりも家族との時間を大切にし、残った時間を居場所を広げる活動に使ってください。
優先順位を間違えず、「常に幸せな状態でいること」を生きる目標とすることが大切です。
今回も、最後までご視聴いただきありがとうございました。
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