パート・ド・ヴェールのガラス食器
パート・ド・ヴェールの技法を用いてお皿やグラスやぐい呑を制作しています。
大学で彫刻を専攻していたので、鋳造技法に制作方法が似ているパート・ド・ヴェールに、彫刻で学んだことを応用することでこれまでにないガラス作品を作ることができるのではないかと思案しています。
ガラスには様々な技法がありますが、パート・ド・ヴェールは、他の技法では出すことができない独特な質感を表現することができます。
手作りの暖かい透明感を持った色合いが印象的です。一点一点ハンドメイドで制作しています。
パート・ド・ヴェールは、ガラス技法として一般的である吹きガラスと比べ、作業工程が多く、仕上げまで手作業で行うため時間やコストがかかります。
また、窯からでてくるまで型の中でガラスがどのように溶けたのかわかりません。失敗した場合、もう一度新しく作り直さなければいけない為、一度に限られた数の作品しか作る事ができません。
パート・ド・ヴェール制作工程
まず蝋で原型をつくります。それから石膏で型をとり、型を熱して中の蝋を脱蝋します。脱蝋した石膏型にガラスを詰め、窯にいれます。
窯から出てきた後、石膏型を壊していきます。型から取り出した後は、バリや凹凸があり、リューター等の工具を使って形を整えていきます。
ふちや表面の細かい部分を整えた後、表面をサンドペーパー等の工具を使って研磨し完成です。
ガラスを研磨する作業は、時間と根気を必要とする作業ですが、まるで石の彫刻を磨いているようです。大学でずっと大理石の彫刻作品を作っていた私にとってはとても懐かしい作業に感じられます。
ガラスの食器は高価で購入してもあまり使うことがないと聞くことがありますが、是非、実際に料理を盛り付けて使って頂き、普段あまり見ることのない色や形を楽しんで頂ければと思っています。
以下のリンクから他の作品もご覧下さい。