バガヴァッド・ギーターとヨガ〜アシュラム体験記④〜
さて、アシュラムの集団瞑想ですが、
グループチャンティング(お経)→瞑想
の後は、歌がありました!
楽器演奏もついており。
歌の内容はマントラ(お経)で、サンスクリット語なので内容はわかりませんが、たぶんいいことを言っている。そして、神様たちを讃えている。
内容はわからずとも、みんなで輪唱で歌うのは楽しいです。
そしてそこに、大昔のヒンズー教の知恵を体感しました…!
ヨガの資格を取っていたとき、哲学も学びました。「バガヴァッド・ギーター」というヒンズー教の哲学の本を学んだのですが、そのとき「バガヴァッド・ギーターは、仏教から人心の心を取り戻すべく作られた」と教わりました。
昔むかしから、カースト制度がインドにはありました。トップはバラモンと呼ばれる人々。
その人々が、幸せになるためのヒンズー教の知識、教えを独占していたらしいのです。
そんな中、仏教が台頭してきました。仏教は「幸せになるために、カースト制度は関係ない。そして、ヒンズー教が重視しているプージャ(繰り返しの儀式)も関係ない。」というスタンスでした。当時のインド政府にとってはおもしろくない。既得権益を脅かされる。
そこで、バガヴァッド・ギーターという物語の中に教えのエッセンスを詰め込み、一般市民にヒンズー教の教えを公開。
仏教のことを研究し、出家を必要とする仏教より、幸せになるために楽な方法(行動や知識、愛と奉仕)を提示することで、人心をヒンズー教に取り戻したらしいのです。
幸せになるための楽な方法の一つ、バクティヨガ(愛と奉仕の行為)は、神様への捧げ物で、歌も含まれるんだとか。
アシュラムで歌うのは、バクティヨガの一環ですが、とても楽しい。娯楽の少なかった2500年くらい前は、みんなで歌うのはもっと楽しかったでしょう。
楽しくて簡単で幸せになれると言われれば、人がそっちに流れたのもわかる気がします。
そんなことをアシュラムで歌いながら考え、ヒンズー教を優位にしようとした当時の支配者層の戦略を体感したのでした。