「道は開ける」を読んで
今回はボリュームのある書籍だったため、非常に時間がかかってしまった。
カーネギーの「人を動かす」に続き、今回は「道は開ける」を読んでみた。
半世紀以上前の本ではあるものの、今の私たちの生活、特にコロナ禍でストレスを抱えざるを得ない現代の私たちにとっても示唆のある内容だったと感じている。
日々現れる不安やストレスとどう付き合っていくかを事例を交えながら紹介しており、比較的説得力がある。
私自身、そこまでストレスを抱えて生きていくタイプではないと自認しているが、確かに無意識にこうしたライフスタイルを実行しているからかもしれないと思った。
例えば数年前にプライベートで激しいストレスを抱えていた私は、たまたまということもあるが、仕事が常に忙しい状態だったため、「ストレスを感じる暇」すらなく、かえって仕事に救われていた感がある。
また、私の友人の中で、毎晩妻から「私に感謝の言葉を3つ述べて」といわれ、辟易している者がいた。
友人の妻がなぜそのような「感謝の言葉の強制」をし始めたのは定かではないが、
振り返ってみると、友人の妻は「第14章 恩知らずに腹を立てずに済ませる」に記載の「人からの感謝を期待することは、人間らしくも痛ましい失敗」を犯していたのかもしれない。(ほどなくしてその友人は心身を悪くして妻と離別していたが・・・)
人間、何かを行うと、感謝の言葉を期待してしまうものだが、それを期待すると自分の中の「不」が広がってしまうのかと思う。
いずれにしても、ストレスの多い現代社会の人々にとって、この本に記載されているようなことは頭の片隅に入れておいても良いのかもしれない。
以下、ネタバレを含む読書メモである。
パート1 そもそも不安とは何なのか
第1章 今日という一区切りを生きる
• 全ての知恵と情熱とを今日一日に傾けることこそが、明日に備える最上の手段である。明日の悩みは明日になれば勝手にやってくるのだから。
• 私たちは今この瞬間、ふたつの永遠が闊歩する狭間に立っている。無限に広がる過去と、そしてこれまでに流れてきた時間の端に突き刺さった未来との狭間である。そのふたつのどちらにも、私たちは生きることができない。だからこそ、自分が生きることのできる唯一の時間をしっかり受け止めなくてはいけない。
• 鉄の扉で過去と未来を閉ざし、今日という一区切りを生きる。
第2章 不安を取り去る魔法の公式
• 抗不安メソッド
①恐怖心を棚上げして、「最悪の場合どんな失敗が起こり得るのか」を検討する。(そして死んだりすることはないことを悟る)
②起こりえる最悪の事態を想定し、必要ならばそれを受け入れる決意をする。
③心で受け止めた最悪の事態を改善すべく、落ち着いて時間と労力を注ぐ。
• 本当の心の平穏は、最悪の事実を受け入れるところから始まる。それがエネルギーの解放。
第3章 不安は人を食いつぶす
• 800万分の2が死亡する病にパニックを起こすのにも関わらず、10人に1人が抱える心の病は誰も警告しない。
• 恐怖は不安を生み出す、不安に侵されれば人は気持ちを張り詰めらせ、神経を尖らせてしまう結果、胃潰瘍をはじめとした病気につながる。
• 心と身体は繋がっているが、医者が治療しようとするのは身体の健康のみ。
• 不安と戦う術を知らないビジネスマンは若くして死ぬことになる。
パート2 不安分析の基本テクニック
第4章 どのように不安を紐解き解決するか
• 問題解決の3つの基本ステップは以下。
①事実を把握する
②事実を解析する
③決断を下し、決断に従った行動を取る
• ①について、人が事実を公平に、客観的に見ることに時間を費やしたならば、あらゆる不安というものは霧のように蒸発して消えてしまう。ただし、人は不安に苛まれていると、これが簡単にできない。
この際は、自分自身から一歩離れて、「今から他人のために情報を集める」という立場で、冷静に良いものも悪いものも、事実を思いつく限り集めてみることが必要。
• ②③について、以下を実行することで、不安の90%は解消される。
・何が不安なのかを明確に書き出す
・自分に何ができるのかを書き出す
・解決のためにどうするべきかを決める
・その決断を即座に行動に移す
第5章 仕事の悩みを半減させる
• 仕事の悩みを減らすメソッド
①何が問題なのかを書き出す
②問題の原因を書き出す
③問題解決のソリューションをいくつか書き出す
④どのソリューションが理想的か書き出す
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