米共和党が気候変動に前向き、原子力発電から炭素回収まで代替策を提示
ワシントンタイムズによると、「長年、環境保護政策に否定的だと思われていた下院共和党が、気候変動問題を自分たちのアジェンダの一部にしようとしている」というのです。
米国議会の動き
一般的に気候問題は、左派が進めてきたアジェンダであると云われているが米国の議会共和党の中でも、温室効果ガスの排出削減対策として、原子力や水力発電の拡大を取り上げようとしている。これに対して、民主党は、原子力発電は有害廃棄物、水力発電は生態系への影響があるといった理由で難色を示しているらしい。
下院共和党が主導するエネルギー、気候、環境保全に関するタスクフォースの一人は、「左派の政治家は大きな政府に関心がある。それが炭素対策として有効でないことは自明な事である。ヨーロッパは、圧倒的に大きな政府によって取り組んできたのにもかかわらず、炭素の目標を達成していない」と語っている。
共和党の新たな動き
共和党員の中にも、米国の競争力を高めつつ、経済をクリーンエネルギーに移行させるアイデアを持っている人たちがいる。
昨年、共和党は、気候変動議員連盟のようなものを発足させ、炭素回収(Carbon Capture)技術の開発促進とクリーンエネルギー(水力発電など)・パッケージを提案した。
炭素回収については、技術的・財政的な失敗が続いているが、世界各国の政府は炭素回収に再び着目している。バイデン大統領と民主党のトップ議員たちは、1兆7500億ドルの社会福祉・気候変動法案の一部である、産業用炭素回収プロジェクトに対する税額控除増額案に同意したが、結局上院で否決された。
共和党の「Securing Cleaner American Energy」計画は、民主党が主導するグリーン・ニューディールに代わるものとして推進され、アメリカ経済に劇的で迅速な変化をもたらすものである。
「この計画は、民主党が打ち上げた、何百万人ものアメリカ人が雇用を失う実行不可能な絵空事よりも、環境、雇用、国家安全を守るために、はるかに優れたアジェンダである」と共和党員は述べている。
数年前に、米国の著名なPew Research Centerが米国の脅威について調査を行った。党派間で大きな食い違いを見せたのが気候変動(Global Climate Change)とロシア問題であり、気候変動を主要脅威とする割合は民主党が84%、それに対して、共和党は27%であった。➡
https://note.com/yosh_2100/n/n0976eb917c0e
共和党議員の中にも、自然災害の深刻化によって気候変動の影響に目を向け、このままではいけないと考える人が出てきたということであろう。
それぞれへの批判
民主党議員の多くの意見は、「これまでの経緯からして、共和党の新構想を真剣に受け止めるのは難しい。これまで、共和党は気候変動を信じてこなかったし反対して来た。エネルギーと気候危機に取り組むために前進しようと言われても、言行不一致である」と。
共和党から民主党に対しては、民主党の訴えている「気候変動」と「気候正義」はでっち上げである。税金をいくら払ったところで、気候は変わらない。これは事実である。また、地球規模の気候変動は、民主党の党員資格要件として機能する「おとぎ話」であるといったものまで出ている。
共和党の自己批判として、選挙に勝ちたいのであれば、党全体が気候変動を真剣に受け止める必要がある。気候変動に後ろ向きでは、首都圏の外での選挙で勝つことはできない。
どこの国でも、政治家にとって選挙が最重要課題だが!?この気候変動について日米政治家の違いは、①米国は「賛成」か「反対」かを明らかにして、其々の意見を主張したり闘わせているが、②日本は、賛成の声だけしか聞こえない...