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COP26におけるCO2不平等論議

COP26に出席した多くの首脳が、大量の温室効果ガス(GHG)を排出するプライベートジェット機を使って移動して来たことが議論の的になっています。

移動には400機ものプライベートジェット機が使われたという事です。400機のうち約100機はヨーロッパの代表者が利用しており、往復には平均4時間が掛かっています。残りの300回はそれ以外の地域からの長距離移動で、20時間程度機中で過ごしているようです。

通常、多くのビジネスマンが使う小型のプライベートジェットでは、1時間のフライトで2トンのCO2を排出していますが、長距離の飛行でないため、環境に対して悪いものとまでは言えません。

COP26のために、長距離を移動してくる米国のバイデン大統領の場合は、往復1000トン以上のCO2を排出しているとのことです。このように長距離を移動して来る政治家や要人は、普通の人が1年間に排出するCO2(約8トン)を上回る大量のCO2を排出しています。

多くの首脳たちが、「気候変動と闘っている」と言いながら、一方で、「ジェット機を使っている」というのでは、「偽善」、「カーボン不平等の極み」と言われても仕方がありませんね。英国のジョンソン首相などは、持続可能な燃料(SAF)を使っていると説明しているようですが、専門家は、「露骨な産業グリーンウォッシュ」だと一笑に付しているそうです。

かって、六本木ヒルズで開催されたアル・ゴア氏の「不都合な真実」についての講演に参加した事があります。講演終了後Q&Aの時間になり、外国人から、「あなたはCO2を大量に出すジャンボで来日したという事ですが、その行動は講演内容と矛盾していませんか?」という質問が出ました。ゴア氏は、「自分は多忙だし、ジャンボは速いし便利なので仕方がありません。」といった返事をされていました。

その後、ゴア氏の「不都合な真実」には、科学的な間違いが多いと批判されました。また、ゴア氏は邸宅をいくつか所有しており、そこでは、普通の人の何倍ものエネルギーを使って生活している、「偽善」ではないかといった事も言われています。YouTubeでは、米国の公聴会の模様が配信されていますが、その中には、ゴア氏の環境利権についての真偽を糺している内容のものまでありました。

COP26に参加している首脳たちも似たような境遇なのものかもしれません。そうでないことを願いたいものですが、こうしたエピソードにCOPの本質が表れているような気がします。

古いことわざに、「まず隗(かい)より始めよ!」というのがあります。大事業をするには、まず身近なことから始めよという意味ですが、似たような表現に、英語でも、" Charity should begin at home!"というのがあります。本当ですよね。

COP26に対しては、日本も”適当に付き合っておけば良い”という程度のものではないでしょうか。


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