小池都知事が水素パイプライン構想表明 COP27 エジプトで
小池都知事が水素パイプライン構想表明 COP27 エジプトで
(msn.com)
東京都の小池知事が、COP27のハイレベル会議にて、「海外のグリーン水素を受け入れるために、臨海部にパイプラインを敷設する」という発表をしたとのことです。
グリーン水素はEUなど海外でも活用に向けた動きが活発になっていますが、再生可能エネルギーを使って作るため、価格が高いなどの課題もあるといわれています。
国内で水素を普及させるためには、経産省のロードマップによれば、水素を15~20円/Nm3にまで下げる必要があると発表しています。
水素の海上大量輸送プロジェクト
日本には海外で製造した水素を大量海上輸送するプロジェクトが2件あります。1つ目は、豪州の褐炭のガス化➡合成ガス(CO、H2が主成分)➡水素製造➡液化➡特殊タンカーで日本まで輸送➡水素を気化➡ユーザーまで国内輸送➡神戸港で液化水素のアンローディングを行います。
2つ目は、ブルネイの天然ガスのスチーム改質➡合成ガス(CO、H2が主成分)➡水素製造➡トルエンと反応させメチルシクロヘキサン(MCH)に転換➡通常タンカーで日本まで輸送➡脱水素処理➡ユーザーまで国内輸送➡川崎港で液化水素のアンローディングするというものです。
上記2プロジェクトは石炭と天然ガスという化石燃料由来の水素ですから、排出するCO2を現地でCCS処理すればブルー水素、なにも処理しなければグレー水素と呼ばれるのでしょう?グリーン水素にはなりません。
両者とも、水素の値段は現在のところ、30円台後半と言われています。技術開発によって、どこまで下げられるのかが課題です。厳しい状況であることは間違いありません。
ですから、これは東京都が対象とするプロジェクトではないようです。
東京都のグリーン水素とは?
そうすると、小池都知事のグリーン水素とは、風力や太陽光があてにならないのであれば、カナダなどの水力になるのでしょうか?
こんな話があったと記憶しています。
カナダなどでは水力発電(再エネの一つで既存技術)が盛んですが、その場合の発電コストは、約2円/kWhというに言われています。日本31円/kWh。
その廉価な電力を使って、水電気分解を行い、製造したグリーン水素を液化し液化水素として日本に運んでくる場合、水素の値段は30数円/Nm3になるということでした。
約2円/kWhというかなり廉価な電気をつかっても、海外から運んでくると、なかなか、普及レベルの値段にはならないようです。
小池都知事は、どういう根拠に基づいて、海外での発言をしているのか不明です。東京都の太陽光パネルの設置義務化もそうでしたが、これまでの事を考えると、かなり割り引いて受け止めないといけないと思います。
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