はじめに
電源の脱炭素化の中で水素の可能性が議論され、色々な事業が進められている。日本においても事情は同じである。
現在、一般的に水素は、天然ガスのスチーム改質+シフト反応というプロセスで製造されている。中国は、自国の石炭をガス化し、生成する合成ガス(主要成分:CO、H2)+シフト反応で製造している。中国の年間製造量は3,500万トンだとも言われており、世界一である。2060年には、1億トンの グリーン水素を製造する計画があるという。日本は、2050年、2,000万トンと言われている。
水素の色分け
水素には、製造原料別に色付けがされている。
①グリーン水素:再エネ+水電解=水素
②ブルー水素:化石燃料+排出されたCO2をCCSで地下深くや深海に注入
③グレー水素:化石燃料、後段のCO2処理はなく、煙突から大気に放出
(従来型)
④イエロー水素:原発を利用して水素製造
水素製造の課題
水素製造の課題は、製造コストがかなりのものになるということがある。製造コストの主要なものは、グリーン水素の場合は、再エネから電気を得る段階にある。
NEDOの水素価格の目標は、2030年に30円/Nm3だと言われており、普及させるには、15~20円/Nm3とされる。大学の先生によれば、製鉄業では、金属鉱物を還元するためにはコークスを使っているが、これを水素に変えて
還元製鉄を普及させるためには、水素が8円/Nm3程度であるという。
豪州の褐炭から水素を製造し液化して海上輸送の場合、35~38円/Nm3(大体の数字)程度であったので、この価格の縮小が実際可能なのか、これからの技術開発で可能なのか疑問である。
日本の場合、グリーン水素は可能なのだろうか?現状では、他の国に比べて電気代が高いのでこの選択肢はないのだろう。
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