長江汽車は設立以来、赤字経営が続いている。7月に正式に破産を宣言したとき、同社は従業員に5000万元(約730万ドル)以上の賃金を支払い、対外債務は30億元(約4億3700万ドル)にも上った。
しかし、2015年と2016年、長江汽車は中国で燃料車とEV製造の「二重資格」を持つ数少ない企業の1つであり、アジア最大のEVメーカーを目指すと主張していた。この主張と、香港の大物投資家らの支援を受け、全盛期には多くの注目を集めた。
2年余の間に、浙江省杭州、広東省仏山、雲南省昆明、山東省煙台など、中国各地に生産拠点を開設。さらに、米国にも工場があり、海外にも進出、
また、北京と上海に研究開発センター、天津市と遼寧省にパワーバッテリー生産拠点、重慶市にバッテリー材料生産拠点を設立した。
2015年から2016年にかけて、長江汽車の年間生産能力は累計60万台となった。佛山市政府との投資契約だけで120億元(約17億5000万円)の資金が投入された。
2016年、長江汽車は電気小型SUV、電気バス、ミニバスなど4つのモデルを展開した。しかし、そのSUV乗用車は量産されず、人手と資金の90%を消費する商用車は、2018年の免許取得台数が3,000台をわずかに上回った。
同年、大物投資家は出資を取りやめ、長江汽車の先行きを楽観視できなくなったようだ。