Can you hear me?
年末にヤマダ電機に行った。奥さんの誕生日プレゼントにドライヤーを買うためだ。
わが家のドライヤーくんはもう20年近くは使ってると思うんだけど、あちらこちら部品が取れたり異音が出たりしてることと、ぼくが大阪と2拠点生活しているので、そちらで彼に余生を過ごしてもらおうという算段です。
自分がよく知ってる分野のものはネットで選んじゃうことも多いのだけれど、あまり知らないものは店舗で現物を確認したり、説明を聞くことにしている。
店頭でPOPを見比べながら何がよいか検討する。平日の昼間なので店員は見当たらない。最終候補が2つに絞られ、質問を決めてから近くのレジの店員に説明を聞きたいと伝えると無線で呼び出してくれた。
目当てのパナソニック2種で何が違うのか聞くと、モデルチェンジしたものだという。知的な言い回しで的確にそのスペックを教えてくれた。求めてた感じでは旧型で充分なのだけど色は新型の方が良い。
せっかくの誕生日プレゼントなので、ここは気前よく新型に決めた。
「これいくらですか?」
最後の質問だ。プライスカードがズレてたので念のために確認したかったのだけど、ぼくはその後衝撃を受けることになる。
店員「こちら精一杯のお値段なので値下げはできません。」
ぼく「あ、ですので、これいくらなんですか?」
店員「すみません、値下げはできないんです。」
ぼく「・・・。じゃあ、いいです。これにします。」
なるべく平静を装ったけど、ちょっと気分は悪かった。
でも誕生日当日なので、ここで買うしかないし、きちんと教育を受けれていない(と勝手に思っている)店員に文句言っても詮ないことだなと観念した。
その晩渡したプレゼントを奥さんは喜んでくれた。うん、買ってよかった!
年が明けた1月3日、霧島の日当山温泉にきている。西郷どんお気に入りの温泉らしいです。
しばらく会えなかった屋久島の母親と合流して親孝行をしようと思ったのです。
千葉から鹿児島まではジェットスターで移動することにした。成田は年始のUターンラッシュで空港はごった返していた。スタッフの忙しそうだ。
予定のフライト便は搭乗時間が遅延するという。 そこで待ち時間にゲート付近で家族連れやカップルの様子をなんとなく眺めていた。
搭乗口で忙しくしている係員の方は語学も堪能でキビキビと動いていて、優秀な方なんだろうなという感想を持っていた。
そこに一人の若者がゲートにやってきて、係員に何やら差し出した。その瞬間。
係員「まだご案内前です」
ぼくの心の声「?!」
実はこの前にも、何組かきて「案内はまだか」というようなやりとりをしていて、そのたびに「まだご案内前です」という回答が聞こえてきていた。ワンオペで忙しいのに状況を汲んでくれない客を、ルーティーンで応対してるようだった。
ところが先の若者はいう。
「これ落ちてたんですけど」
彼は親切にも客が落としたボーディングパスを届けたのだった。うーん、世知辛い。
ぼくはこの時に気づきました。電気店スタッフと空港グランドスタッフの共通点。
それは人の話を聞かないこと。
両者とも、たぶん頭がいいんだと思うけど、人の話を聞く前に自分の答えを言っちゃうんだ。
たぶん十中八九はそれで間違ってないのでしょう。でもその間違った1つはあまりにも致命的ではないのかな。
ふつうに価格を聞いてるだけなのに慣れた感じで当たり前のように値切る客扱い。落とし物を届けただけなのに早く乗せろと急かす客扱い。
(ちょっと言い過ぎかもしれませんけど)
結論しました。
接客に限ったことではなく、よい関係を築こうとするならまず相手の話をきこう。自戒の念をこめて。
いただいたサポートは次の創作に役立てます。 これからもどうぞよろしくお願いします。